2017年4月27日木曜日

定例のセミナ

金沢での定例のセミナ,今年度2回目でした.ノートからちょっと抜き書き.

$k$を有限次代数体とする.素数$p$を固定して,$k$の$\mathbf{Z}_p$拡大(つまり,$k$のGalois拡大で,Galois群が$\mathbf{Z}_p$の加法群と同型なもの)すべての合成体を$\tilde{k}$と置くと,$\tilde{k}/k$はGalois拡大で,そのGalois群は$\mathbf{Z}_p^{r_2+1+\delta}$, ($r_2=r_2(k)$は$k$の虚素点の個数,$\delta = \delta(k,p) \ge 0$はLeopoldt defectとも呼ばれる非負整数で,$\delta(k,p)=0$が$k$と$p$に対するLeopoldt予想)である.

$L(\tilde{k})$を$\tilde{k}$の最大不分岐Abel $p$拡大とし,$X=\text{Gal}(L(\tilde{k})/\tilde{k})$をGalois群とする.$X$には完備群環$\Lambda=\mathbf{Z}_p[[\text{Gal}(\tilde{k}/k)]]$が共役によって作用する.Iwasawa-Greenbergにより,$X$は$\Lambda$加群として有限生成かつねじれ加群であることが示されている.

今回のセミナーの主眼は,"Generalized Greenberg Conjecture" (GGC), すなわち,$X$は$\Lambda$加群として "pseudo-null", つまり,$\Lambda$加群としてのannihilatorイデアル $\text{Ann}_{\Lambda}(X)$の高さが$2$以上であろう,という予想であった.特に,$k$が虚2次体,$p=3$の場合を主に論じた.

日々些事に紛れてしまいがちですが,こういう機会を持つと,なんというか,元気が出ますね.

2017年1月2日月曜日

穏やかな正月

正月2日は,雲間から青空が見え,気温が14度にまで達する過ごしやすい日でした.家族で初詣.行列していてもぜんぜん寒くありません.



行きつけのコーヒー豆屋さんに行きがてらとことこと小走りをしていると,陽気に誘われたのか,散歩する人,ジョギングする人,Pokemon GOのトレーナーさん,などなどを多く見かけます.私もヒトカゲを2匹捕まえました.

昨日の支配体の話はまた明日以降に続くかもしれません.

2017年1月1日日曜日

新年のご挨拶

皆様に新年のご挨拶を申し上げます.本年もどうぞよろしくお願い申し上げます.

さて今年2017年の2017が素数ということで,それをお題に何か述べるべきかと存じまして一席講じます(なんで落語みたいになっているのでしょうか).

2017は4で割ると1余るので,ガウスの整数環 $\mathbb{Z}[\sqrt{-1}]$ では2つの次数1の素イデアルの積に分解します.奇素数 $p$ が $p\equiv 1\pmod{4}$ であることと,ガウスの整数環で分解することが同値であることは有名で,多くの方が触れているようです.2017は8で割っても1余ることを注意しておきます.

別の話題として,虚2次体 $k=\mathbb{Q}(\sqrt{-2017})$ に注目してみましょう.$k$ の類数は $12$ です.(pari-gp だと quadclassunit(-2017) で, [12, [12], [Qfb(19, 8, 107)], 1] という結果が得られます.これは,類数が 12, 位数 12 の巡回群で,生成元となる2元2次形式が $19 x^2 + 8 xy + 107 y^2 $ であると読みます.最後の 1 は単数基準で,虚2次体の場合はつねにそうです.)

実は,「虚2次体 $\mathbb{Q}(\sqrt{-p})$ の類数が 4 で割り切れるためには $p\equiv 1\pmod{8}$ が必要十分条件」であることが知られています(Redei-Reichard).言い換えると,「虚2次体 $\mathbb{Q}(\sqrt{-p})$ の類数が 4 で割り切れるためには $p$ が $\mathbb{Q}(\zeta_8)$ で完全分解すること必要十分条件」.

「虚2次体 $\mathbb{Q}(\sqrt{-p})$ の類数が 2 で割り切れるためには $p\equiv 1\pmod{4}$ が必要十分条件」はガウスの種の理論(を2次体の数論の言葉で述べたもの)から従うので,上に述べた事実はその精密化ということができるでしょう.この場合も,言い換えは「虚2次体 $\mathbb{Q}(\sqrt{-p})$ の類数が 2 で割り切れるためには $p$ が $\mathbb{Q}(\zeta_4)$ で完全分解すること必要十分条件」.

この調子で,$\mathbb{Q}(\sqrt{-p})$ の類数が 2冪で割り切れる条件が, $p$ の 2 冪での余りが 1, と言えるときれいですが,人生はそのようにsimpleではないのでした.素数17や97は $17\equiv 97 \equiv 1\pmod{16}$ ですが,$\mathbb{Q}(\sqrt{-17})$, $\mathbb{Q}(\sqrt{-97})$ の類数は $4$ で,期待したように $8$ で割り切れてはいません.

この場合の必要十分条件は次のようになることが知られています(Barrucand and Cohn):「虚2次体 $\mathbb{Q}(\sqrt{-p})$ の類数が 16 で割り切れるためには $p = x^2 + 32 y^2$ となる整数 $x,y$が存在することが必要十分条件」.さらに,「虚2次体 $\mathbb{Q}(\sqrt{-p})$ の類数が 16 で割り切れるためには,$p$ が $\mathbb{Q}(\zeta_8, \sqrt{1+\sqrt{2}})$ で完全分解することが必要十分条件」.

例えば$p = 41, 113, 137$などがそうで,この3っつについては $\mathbb{Q}(\sqrt{-p})$ の類数は 8 です.2017 は $x^2 + 32 y^2 $という表示を持ちませんが(全探索で分かります),それは$k=\mathbb{Q}(\sqrt{-2017})$ の類数が 12 で,8 では割り切れないことと符合します.最近の年号だと, $1993 = 29^2 + 32 \cdot 6^2$, もしくは $2113 = 31^2 + 32\cdot 6^2$ が該当します.$\mathbb{Q} \sqrt{-1993})$ の類数は 24, $\mathbb{Q}(\sqrt{-2113})$ の類数は 16です.

すると,$\mathbf{Q}(\sqrt{-p})$ の類数が2冪 $2^e$ で割り切れる必要十分条件が,有理数体上のガロア拡大$\Sigma(e)$ で素数 $p$ が完全分解することである,と言えるような,代数体 $\Sigma(e)$ の存在を期待したくなります.このような体を「支配体(governing field)」と呼びます.

今回は $\mathbf{Q}(\sqrt{-p})$, $p\equiv 1\pmod{4}$ の類数の2冪での可除性のみ扱いましたが,判別式 $D$ を固定して,$\mathbb{Q}(\sqrt{Dp})$, の $p$ を動かした2次体の族について,その族のメンバーとなる2次体のイデアル類群 $C(Dp)$ の 2冪ランク(2ランクは $C(Dp)/C(Dp)^2$ の体 $\mathbf{Z}/2\mathbf{Z}$ 上のベクトル空間としての次元,4ランクは $C(Dp)^2/C(Dp)^4$ の同じ次元)について考えます.

支配体については,山本芳彦先生の「数学」40巻2号,1988年,に掲載された論説をご覧ください(オンラインで参照できます).

幾つか誤植(平方根の記号の入れ忘れなど)を訂正し,山本先生の論説へのリンクを貼りました.誤植のご指摘ありがとうございました.

2016年3月6日日曜日

Bluetoothキーボード Logicool K380

Bluetooth接続の外付けキーボード、Logicool ロジクール K380 Bluetooth マルチデバイス キーボード (マルチOS: Windows, Mac, iOS, Android, Chrome OS 対応) ブラック K380BKを購入。Kindle Fire HDX 8.9や、Androidスマートフォンで使うことを考えていた。

結論から言うと、スマートフォンでは全く問題なく使うことができる。ただし、「日本語106/109キーボードレイアウト」というアプリをインストールし,日本語入力を「Google日本語入力」に変更する必要があった(ATOKを使っていたが、ATOKではどうしてもキートップの刻印と入力される文字を一致させることができなかった)。

一方のKindleでは、Google日本語入力が使えないこともあり、キートップの刻印と入力される文字が一部で食い違ってしまう状況が解消できていない。

また、Kindle上のアプリでは(例えばTwitter公式クライアントやEvernoteなど)では、シフト+スペースでのIME切り替えが必ずしもうまく行かない。単に無視されてしまうことがおおい。Silkブラウザのオムニボックス(URLや検索語句の入力欄)ではIME切り替えが常にうまく行くので、そこで日本語入力モードにしてから、Alt+Tabでアプリを切り替える、というのが、今のところの「コツ」である。

なんとなく、昔のX Window System上のアプリケーションにKinput2などで日本語入力をする方法を思い出す。

キーボードそのものとしては,案じていたより違和感がない.3つの機器とのペアリングができて,3つのファンクションキーが対応するスイッチになる.(写真はイメージです)


2016年1月14日木曜日

2016年

松の内も明けて一週間になりますが,遅ればせながら新年のご挨拶を申し上げます.皆様のご多幸を祈念いたします.

さてこのblogも昨年は更新頻度が落ち大いに反省するところであります. 今年の目標(の1つ)に,もう少しこちらに投稿することを掲げたいと思います.おっと,このblogの昨年同時期の投稿を確認するのはご無用に願います.

昨年は動画配信・サブスクリプション型(定額配信)のサービスが広く使われるようになった年だったように思います.我が家ではまずHuluを導入,子供らがはやりのアニメを観たり,大人が懐かしアニメを徒然に観たり,使いでのあるサービスと思いました.

その後,AmazonがAmazon Primeのサービスの一つとしてPrime Videoを開始.また,音楽の定額配信サービスとして,GoogleはGoole Play Music,AmazonがPrime Musicを開始しています.

Amazon Prime Videoの開始と同時期に,「Fire TV Stick」を導入.Chromecast同様,テレビのHDMI端子に接続し,WiFiでインターネットに接続してコンテンツを楽しむものです.Chromecastよりも処理能力が高いせいか,反応がよく,また配信が途切れることに気が散らされることもほとんどどない.おすすめのガジェットです.

また,Google Musicについては,月額980円でさまざまなジャンルの音楽を楽しむことができ,大いに活用しているところです.

例えば,村上春樹「ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集 電子特別版 (文春e-book)」は,紀行文集ではありますが,また音楽に関する言及が多々あります.そういった音楽を,自分が音源を持っていようが持っていまいが,いつもの様に検索し,大抵の場合探し当てることができ,聴くことができるのです.古いジャズのLPや,ニューヨークで活躍する男性ジャズボーカルや,シベリウスを.