2017年4月27日木曜日

定例のセミナ

金沢での定例のセミナ,今年度2回目でした.ノートからちょっと抜き書き.

$k$を有限次代数体とする.素数$p$を固定して,$k$の$\mathbf{Z}_p$拡大(つまり,$k$のGalois拡大で,Galois群が$\mathbf{Z}_p$の加法群と同型なもの)すべての合成体を$\tilde{k}$と置くと,$\tilde{k}/k$はGalois拡大で,そのGalois群は$\mathbf{Z}_p^{r_2+1+\delta}$, ($r_2=r_2(k)$は$k$の虚素点の個数,$\delta = \delta(k,p) \ge 0$はLeopoldt defectとも呼ばれる非負整数で,$\delta(k,p)=0$が$k$と$p$に対するLeopoldt予想)である.

$L(\tilde{k})$を$\tilde{k}$の最大不分岐Abel $p$拡大とし,$X=\text{Gal}(L(\tilde{k})/\tilde{k})$をGalois群とする.$X$には完備群環$\Lambda=\mathbf{Z}_p[[\text{Gal}(\tilde{k}/k)]]$が共役によって作用する.Iwasawa-Greenbergにより,$X$は$\Lambda$加群として有限生成かつねじれ加群であることが示されている.

今回のセミナーの主眼は,"Generalized Greenberg Conjecture" (GGC), すなわち,$X$は$\Lambda$加群として "pseudo-null", つまり,$\Lambda$加群としてのannihilatorイデアル $\text{Ann}_{\Lambda}(X)$の高さが$2$以上であろう,という予想であった.特に,$k$が虚2次体,$p=3$の場合を主に論じた.

日々些事に紛れてしまいがちですが,こういう機会を持つと,なんというか,元気が出ますね.