今日は計算機の並んだ部屋で、実習。
前回のアルゴリズムの表記法を実際にC言語で書いてみる、更に、方程式の数値解法(二分法)を学び、それもCで書いてみる、というのが目標。テキストの「理工系の基礎数学 (8) 数値計算」の二章。
ところがプロジェクタが不調だったり、何故か私の環境でだけcygwin上のgccでのコンパイルがうまくいかなかったりと、手間取った。リンカがcrt.oがないような事を言うのだが、学生諸君は正常にコンパイルできるし、謎である。古い環境変数でも残っているのか……。
というわけで、思ったとおりには進まず、次回へ持ち越しとなった。
受講生諸君(主に3年生)は、前期で学んだC言語の講義で、教科書として高橋麻奈「やさしいC 第3版 [やさしいシリーズ]」を使ったらしい。数年前にその授業を担当した際、同書をテキストにしたのは私である。C言語の教科書は非常に沢山あるが、初等的なレベルからC言語の仕様をほぼ網羅していること、内容に誤りが少ないこと、ここの環境に依存する記述が少ないこと、などの理由から、初学者にはお勧めである。
2008年10月30日木曜日
2008年10月29日水曜日
火曜日の授業:洋書購読・相貫円柱
例によってDaepp, Gorkinのテキスト「Reading, Writing, and Proving: A Closer Look at Mathematics (Undergraduate Texts in Mathematics)」で洋書購読。演習問題の一つが、相貫円柱の共通部分の求積。
半径1の円盤を底にする高さ1の円柱が2本、軸を直交させて交わっているとする。共通部分の体積を求めよ、という問題。一旦図形を把握できれば、高校生程度の微積で答えは出る。この演習問題を担当した学生も、そつなく解答していた。
歴史的には、アルキメデスがこの図形の求積を行っている。
この図形の側面の面積を求めること、軸が直交する三つの円柱の共通部分の体積を求めること、更に正四面体の頂点から面への垂線を軸とする円柱の共通部分の体積を求めること、などなど、いい気晴らしになりそうな問題。
半径1の円盤を底にする高さ1の円柱が2本、軸を直交させて交わっているとする。共通部分の体積を求めよ、という問題。一旦図形を把握できれば、高校生程度の微積で答えは出る。この演習問題を担当した学生も、そつなく解答していた。
歴史的には、アルキメデスがこの図形の求積を行っている。
この図形の側面の面積を求めること、軸が直交する三つの円柱の共通部分の体積を求めること、更に正四面体の頂点から面への垂線を軸とする円柱の共通部分の体積を求めること、などなど、いい気晴らしになりそうな問題。
2008年10月28日火曜日
月曜日の授業:4年生ゼミ
先週に引き続き、体とGalois理論の辺りで難渋している4年生ゼミ。体の自己同型群の剰余類と、部分体の対応など、亀の歩みで勉強してもらっている。
一つの分水嶺であり、是非越えていって欲しいものであります。
一つの分水嶺であり、是非越えていって欲しいものであります。
2008年10月23日木曜日
水曜日の授業:数値解析学
各種誤差の話と、テイラー展開による近似計算、誤差項の評価など。また、アルゴリズムの表記と、それをC言語で書いた場合のサンプルを提示。
この授業で教科書にしている、高橋大輔著「理工系の基礎数学 (8) 数値計算」では、特定のプログラミング言語での実装例は掲載されていない。逐次処理と、条件分岐と、繰り返しさえあれば殆ど用は足りるので、言語が何かといったことは枝葉だと考えられる。
一方で、講義で取り上げるとなればプログラム例を示さないわけにもいかない。今回はアルゴリズムの表記をCにしたサンプルを提示し、次回以降実習していく予定。
この授業で教科書にしている、高橋大輔著「理工系の基礎数学 (8) 数値計算」では、特定のプログラミング言語での実装例は掲載されていない。逐次処理と、条件分岐と、繰り返しさえあれば殆ど用は足りるので、言語が何かといったことは枝葉だと考えられる。
一方で、講義で取り上げるとなればプログラム例を示さないわけにもいかない。今回はアルゴリズムの表記をCにしたサンプルを提示し、次回以降実習していく予定。
2008年10月22日水曜日
火曜日の授業:洋書購読
午後は洋書購読。演習問題にアナグラムの問題があり、思わず考え込んでしまう。考え込んで、しばらく苦悶すると回答が思い浮かぶのだが、なぜそれが思い浮かぶのかは謎のままである。文字の順列組み合わせのうち、英語として可能な並びを、特に発音から絞り込んでいるような気がするが、気がするだけである。アメリカの地名が回答なので、学生諸君にはちょっと難しかったらしい。
アナグラムの生成は、ちょっとした辞書ファイルがあれば機械的に出来る。Wordsmith.orgというサイトを発見。アナグラムを自動生成してくれる。
テキストはこんな調子でゆったりとしているものの、解答を詳細に書き下すことの重要さを強調するなど教育的で良い。Daepp, Gorkin, Reading, Writing, and Proving, UTM, Springer. リンクはamazon.comへのもので、Look INSIDE!で内容が少し読める。
2008年10月20日月曜日
原稿提出、4年生ゼミ
10/20締め切りの原稿が一つあり、週末から本日に掛けて仕上げをして、夕方提出。講演予稿なので、引き続き講演の準備に移る。
午後は4年生ゼミ。体の拡大とGalois理論の節だが、やはり難しい模様。有理数体の代数閉包の部分体に話を限っているので、分離性などは考慮しなくて良いなど、状況は単純化されている。しかし、難しい点が二点あって、すなわち
午後は4年生ゼミ。体の拡大とGalois理論の節だが、やはり難しい模様。有理数体の代数閉包の部分体に話を限っているので、分離性などは考慮しなくて良いなど、状況は単純化されている。しかし、難しい点が二点あって、すなわち
- 体の自己同型群というものが想像しずらい
- 多項式環の剰余環としての体と、有理数体の代数閉包の部分体の区別と同一視
どうやって腑に落ちたかというのを思い出そうとする。が、時間が経つうちに自然なことに思えてきた、というどうしようもない結論。
2008年10月16日木曜日
水曜日の授業:数値解析学
水曜日午前は3年生向け数値解析学。
今日は整数の2の補数表現、浮動小数点数だけで終了。数をどのように表現するかと、数そのものは関係がないということを強調した。例えば同じ1, 0の並びでも、それが2の補数表現された整数なのか、IEEE754に則った浮動小数点数なのか、によって表す数はぜんぜん違う。
テキストにしているのは、高橋大輔「理工系の基礎数学 (8) 数値計算
」(amazon.co.jpでは書名が正しく入っていない。カタログ情報の更新から連絡済)。
数学的に厳密であるよりは平易であることを目指しているようで、その目標は達成されていると思う。また、連立一次方程式の解法が最後に述べられていて、これは「なぜ連立一次方程式を数値的に解きたいか」という動機付けを優先させた為、とある。
今日は整数の2の補数表現、浮動小数点数だけで終了。数をどのように表現するかと、数そのものは関係がないということを強調した。例えば同じ1, 0の並びでも、それが2の補数表現された整数なのか、IEEE754に則った浮動小数点数なのか、によって表す数はぜんぜん違う。
テキストにしているのは、高橋大輔「理工系の基礎数学 (8) 数値計算
」(amazon.co.jpでは書名が正しく入っていない。カタログ情報の更新から連絡済)。
数学的に厳密であるよりは平易であることを目指しているようで、その目標は達成されていると思う。また、連立一次方程式の解法が最後に述べられていて、これは「なぜ連立一次方程式を数値的に解きたいか」という動機付けを優先させた為、とある。
2008年10月15日水曜日
火曜日の授業:洋書購読
先週から後期が始まった。
月曜に4年生ゼミ、火曜日午後に3年生洋書購読(2コマ)、水曜日午前に数値解析学、が時間割。
火曜日の洋書購読は、前回のオリエンテーションに次いで2回目。テキストは、Ulrich Daepp, Pamela Gorkin, Reading, Writing, and Proving: A Closer Look at Mathematics (Undergraduate Texts in Mathematics). Springerのシリーズ、UTMに所収の1冊。
高校・大学初年級の数学から、より高度な数学への橋渡しをするという本だが、内容は大変平易。G. Polyaの「いかにして問題をとくか」の手順を噛み砕いて、「do math」へと読者を導いている。
このクラスでは、本書の内容はもちろんのこと、英語の文献を読むこと、ゼミの練習として、黒板の前で話すことなどをトレーニングする。3年生8名が受講している。
月曜に4年生ゼミ、火曜日午後に3年生洋書購読(2コマ)、水曜日午前に数値解析学、が時間割。
火曜日の洋書購読は、前回のオリエンテーションに次いで2回目。テキストは、Ulrich Daepp, Pamela Gorkin, Reading, Writing, and Proving: A Closer Look at Mathematics (Undergraduate Texts in Mathematics). Springerのシリーズ、UTMに所収の1冊。
高校・大学初年級の数学から、より高度な数学への橋渡しをするという本だが、内容は大変平易。G. Polyaの「いかにして問題をとくか」の手順を噛み砕いて、「do math」へと読者を導いている。
このクラスでは、本書の内容はもちろんのこと、英語の文献を読むこと、ゼミの練習として、黒板の前で話すことなどをトレーニングする。3年生8名が受講している。
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