2008年2月18日月曜日

本を読む本

アドラー,ドーレン著,外山滋比古,槇未知子訳,本を読む本 (講談社学術文庫)

M. J. Adler, C. V. Doren, How to read a bookの邦訳.
本を読むということが,単にページをめくりながら活字の上に目を走らせる,というだけではないことを,系統だった読書の方法を述べることで説いた本.
初版は1940年代のアメリカで出版されたもの.現在でも大変価値がある.読書の習慣のある人,これからもう少し本を読みたい人,皆に強くお勧めする.
ただし,本書で主に扱うのは,「理解を深めるための読書」,即ち,「自分の理解を超えた本によって,『浅い理解から深い理解へ』と,読み手自身を引き上げていく」(同署p.19),読書である.
「情報を得るための読書」や,「娯楽のための読書」は副次的にしか扱っていない.これらが三つの異なる種類の読書である,としている.

一方で,読書のレベルとして4階層を設けている.
1. 初級読書.個々の言葉を識別し,文章が何を述べているのかを理解する
2. 点検読書.時間を限って,内容を出来るだけ把握する.系統だった拾い読み.その本は何について書かれたものか,構成は?どんな種類の本か?
3. 分析読書.内容を把握し,理解を深めるために,系統立てていくつも質問しながら徹底的に読みぬく.
4. シントピカル読書.一つの主題について何冊もの本を相互に関連付けて読む.さらに,それらの本に明示されていないテーマを発見し,分析する.

本書では1, 2について述べた後,3にもっとも重点を置いた解説がなされている.
それについては,ぜひ本書をごらん頂きたい.

原書には,著者らによるreading listがあるようだが,なぜか翻訳では割愛されている.
Wikipedia(英語版)には含まれているので,そちらを参照されたい:
http://en.wikipedia.org/wiki/How_to_Read_a_Book

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