連休前半は,実家から父母が来て,孫たちと交流するという催し.天気があまりよくなく,特段観光らしい観光にも出かけず,家の周囲で遊んでいた.
子供たちは,ショッピングモールでおもちゃを買ってもらったり,ゲームセンターで遊んだり(乗り物に乗るくらいだが),甘いものを食べさせてもらったりと,年相応に楽しんだようだった.
下の子などは,トーマスのプラレールだの,プラレールの立体交差用レールだのを買ってもらい,喜んでいたが,むしろ父親の差し金であることにいつ頃気がつくのだろうか.
日曜の朝に帰路につく祖父母の車を見送りながら,上の子供が,「じいちゃ~ん!」と号泣するのが哀れを誘った.
2011年5月12日木曜日
2011年4月29日金曜日
木曜日はセミナ:Cohen-Lenstra Heuristics
恒例の,北陸数論セミナへ.今日は自分がしゃべる番で,H. CohenとH. W. Lenstraの,いわゆるCohen-Lenstra Heuristics(以下CLHと略)についての雑談をした.当該論文はこれ(PDF).参加者は他に2人で,ひっそりと.
CLHが紹介されるときには,しばしば,奇素数$l$を固定して,判別式$D$を持つ虚2次体の類数(イデアル類群の位数)$h(D)$が$l$で割り切れないような$D$の密度の評価式として述べられるようだ:
この式がどうもうまく表示されない.念のため別の方法でも書いておく:

これはもちろん誤りではないが,CLHはより根本的な予想を述べたものである.つまり,虚2次体のイデアル類群の奇部分が,「ランダムに分布している」,という主張である.つまり,奇数位数の有限Abel群の同型類全体$\mathcal{A}_{o}$の上で定義されている関数$f$に対して,$M_{-}(f)$と$M_{0}(f)$をを次のように定義する:
こちらもうまく表示されないので,別の手段でも書いておこう:

\[
M_{0}(f):= \lim_{X\to\infty} \frac{\sum_{[G] \in\mathcal{A}_{o}(X)}
\frac{f([G])}{|\text{Aut}{([G])}|}}{\sum_{[G]\in\mathcal{A}_{o}(X)}
\frac{1}{|\text{Aut}{([G])}|}},
\]
ただし,正の実数 $X$ に対して$\mathcal{A}_{o}(X)$は奇数位数の有限Abel群で位数が$X$以下のものの同型類全体,$\text{Aut}(G)$は$G$の自己同型群,$|S|$は集合$S$の元の個数,である.
このとき,虚2次体のイデアル類群の奇部分のランダムな分布(Cohen-Lenstraの論文で,Fundamental Assumptionとされているもの)とは,次のように定式化される:
\[
M_{-}(f) = M_{0}(f).
\]
右辺が,純群論的な量であることに注意されたい.
$f$として,考えている群に対する色々な性質の特性関数をとり,右辺を計算することで,イデアル類群の奇部分が同じ性質を満たす虚2次体の「密度」が求まる,という仕組みである.例えば奇素数$l$を取り,$G$の位数が$l$で割り切れないとき$1$, そうでないとき$0$とすると,上に述べたような無限積が現れる.
Cohen-Lenstraの論文の大半が,このような計算をするための枠組みの解説に費やされている.しかも,有限Abel群ではなく,Dedekind整域$A$を固定して,有限$A$加群に対して定式化されている.実際に2次体の密度の話がされるのは,最後の節だけである.
また,2次体だけでなく,より高次の体の族を扱おうという試みも当初からなされているが,より一層speculativeになる.
セミナではまた,関数体の場合の話も少しだけ触れた.
MathJaxを使ってblog記事を書いてみたが,ちょっともどかしい.普段通りにエディタの上でTeXの文書を書き,それをblogの編集画面に貼り付けるのが一番簡単なようである.また,blog記事のpreview画面では,意図したようにTeXでレンダリングされないこともたまにある.難しいものである.補助的に,オンラインで使えるEquation Editorも使用した.
CLHが紹介されるときには,しばしば,奇素数$l$を固定して,判別式$D$を持つ虚2次体の類数(イデアル類群の位数)$h(D)$が$l$で割り切れないような$D$の密度の評価式として述べられるようだ:
この式がどうもうまく表示されない.念のため別の方法でも書いておく:
これはもちろん誤りではないが,CLHはより根本的な予想を述べたものである.つまり,虚2次体のイデアル類群の奇部分が,「ランダムに分布している」,という主張である.つまり,奇数位数の有限Abel群の同型類全体$\mathcal{A}_{o}$の上で定義されている関数$f$に対して,$M_{-}(f)$と$M_{0}(f)$をを次のように定義する:
こちらもうまく表示されないので,別の手段でも書いておこう:
\[
M_{0}(f):= \lim_{X\to\infty} \frac{\sum_{[G] \in\mathcal{A}_{o}(X)}
\frac{f([G])}{|\text{Aut}{([G])}|}}{\sum_{[G]\in\mathcal{A}_{o}(X)}
\frac{1}{|\text{Aut}{([G])}|}},
\]
ただし,正の実数 $X$ に対して$\mathcal{A}_{o}(X)$は奇数位数の有限Abel群で位数が$X$以下のものの同型類全体,$\text{Aut}(G)$は$G$の自己同型群,$|S|$は集合$S$の元の個数,である.
このとき,虚2次体のイデアル類群の奇部分のランダムな分布(Cohen-Lenstraの論文で,Fundamental Assumptionとされているもの)とは,次のように定式化される:
\[
M_{-}(f) = M_{0}(f).
\]
右辺が,純群論的な量であることに注意されたい.
$f$として,考えている群に対する色々な性質の特性関数をとり,右辺を計算することで,イデアル類群の奇部分が同じ性質を満たす虚2次体の「密度」が求まる,という仕組みである.例えば奇素数$l$を取り,$G$の位数が$l$で割り切れないとき$1$, そうでないとき$0$とすると,上に述べたような無限積が現れる.
Cohen-Lenstraの論文の大半が,このような計算をするための枠組みの解説に費やされている.しかも,有限Abel群ではなく,Dedekind整域$A$を固定して,有限$A$加群に対して定式化されている.実際に2次体の密度の話がされるのは,最後の節だけである.
また,2次体だけでなく,より高次の体の族を扱おうという試みも当初からなされているが,より一層speculativeになる.
セミナではまた,関数体の場合の話も少しだけ触れた.
MathJaxを使ってblog記事を書いてみたが,ちょっともどかしい.普段通りにエディタの上でTeXの文書を書き,それをblogの編集画面に貼り付けるのが一番簡単なようである.また,blog記事のpreview画面では,意図したようにTeXでレンダリングされないこともたまにある.難しいものである.補助的に,オンラインで使えるEquation Editorも使用した.
2011年4月13日水曜日
MathJaxを導入してみた
blogに数式を表示する為に,MathJaxを導入してみた(つもり).この投稿はMathJaxのテストなので,内容は特にないし,すぐに消すかもしれない.
MathJaxの導入のために参照したのは,黒木玄さんのこの頁.
まずRiemann zeta関数:$\zeta(s) = \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^s}$. 但し$\Re(s)>1$. ついで,ディスプレイ数式は,\[\zeta(s)=\prod_{p}\left(1-\frac{1}{p^s}\right)^{-1},\] 積はすべての素数$p$に渡り,$s$については先と同様に実部が$1$以上.
おおむねうまくいっているように見える.IE8を使うとレンダリングが非常に遅くなるらしいが,好んでIE8を使う人もいないだろうから,よいことにする.
MathJaxの導入のために参照したのは,黒木玄さんのこの頁.
まずRiemann zeta関数:$\zeta(s) = \sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^s}$. 但し$\Re(s)>1$. ついで,ディスプレイ数式は,\[\zeta(s)=\prod_{p}\left(1-\frac{1}{p^s}\right)^{-1},\] 積はすべての素数$p$に渡り,$s$については先と同様に実部が$1$以上.
おおむねうまくいっているように見える.IE8を使うとレンダリングが非常に遅くなるらしいが,好んでIE8を使う人もいないだろうから,よいことにする.
2011年4月2日土曜日
人間の三つの弱点
「滅多に更新されない」と揶揄されたりもするこのblogだが,年度も変わったことだし,などと理由を付けて閑文字を連ねる.しかし,引用である:
未曾有の大災害から三週間が過ぎて,漸く,その先のことを考えなければならないと多くの人が思う一方で,その道のりの困難で遼遠なこともつくずく思われる.
平安が皆様の上にあるよう祈ります.
人類が,何であれ大きな事業に着すする機会に直面したときに,私たちの努力をはなはだしく妨げる人間の弱点がいつも三つある.第一に,私たちは共通の目標を設定して,合意に達することがなかなかできない.第二に,十分な資金を調達できない.第三に,惨憺たる失敗を恐れてしまう.(F. ダイソン,「叛逆としての科学―本を語り、文化を読む22章」第18章,p. 265)
未曾有の大災害から三週間が過ぎて,漸く,その先のことを考えなければならないと多くの人が思う一方で,その道のりの困難で遼遠なこともつくずく思われる.
……それに打ち勝つために科学技術の魔力を何も使わなかった.彼らが勝利を収めるのに必要とされたのは,ストレスにさらされた人間が発揮することのできる美徳のすべて,すなわち,強靱さ,勇気,無私の心,洞察力,常識,ユーモアのセンスだった.(同,p. 268)
平安が皆様の上にあるよう祈ります.
ラベル:
non section,
時事,
書評
2010年12月31日金曜日
年末旅行・伊勢神宮参拝
年の瀬,30日から一泊で,三重県伊勢市へ.
往路は北陸道から東海北陸道を経て,名神,東名阪,伊勢自動車道と走っていくナビにお任せコース.東海北陸道では,最高で標高1,000mを越える箇所もある.最近の高速道路のサービスエリアは,ショッピングモールのようでもあり,東名阪の御在所SAのフードコートなど,昼時には戦場であった.
その日は,まっすぐ伊勢神宮内宮に向かい,寒い中を参拝.初めて来たけど,確かに聖域という感じではあった.そして寒かった.
宿は,大石屋という旅館.大きくはないが,設備は新しいし,禁煙フロアがあるし,前室も入れれば3部屋ある部屋で夕食も食べられたし,その食事も十分美味しかったので,大変好印象だった.
翌朝,やはり部屋で朝食を取ってから,近所の夫婦岩とそれをまつる神社を参拝.
大晦日のこの日は,折からの大寒波到来のため,山陰から北陸中部,太平洋側も荒天であった.帰路,三重県内で既に強風と吹雪に見舞われた.東海北陸道の標高の高いところはどんな状況かわからないので,滋賀県周りの経路を選択.新名神,名神から米原JCTを経て北陸道へ.ずっと道路状況が悪く,時には泊まってしまうような有様だった.
しかし,福井から石川へ向かうにつれ,天候も路面状況も改善していった.ちょっと皮肉な感じではあった.
家族で無事に年の瀬を迎えられ,ありがたいことである.
往路は北陸道から東海北陸道を経て,名神,東名阪,伊勢自動車道と走っていくナビにお任せコース.東海北陸道では,最高で標高1,000mを越える箇所もある.最近の高速道路のサービスエリアは,ショッピングモールのようでもあり,東名阪の御在所SAのフードコートなど,昼時には戦場であった.
その日は,まっすぐ伊勢神宮内宮に向かい,寒い中を参拝.初めて来たけど,確かに聖域という感じではあった.そして寒かった.
宿は,大石屋という旅館.大きくはないが,設備は新しいし,禁煙フロアがあるし,前室も入れれば3部屋ある部屋で夕食も食べられたし,その食事も十分美味しかったので,大変好印象だった.
翌朝,やはり部屋で朝食を取ってから,近所の夫婦岩とそれをまつる神社を参拝.
| From 2010年末・伊勢参り(二見浦) |
大晦日のこの日は,折からの大寒波到来のため,山陰から北陸中部,太平洋側も荒天であった.帰路,三重県内で既に強風と吹雪に見舞われた.東海北陸道の標高の高いところはどんな状況かわからないので,滋賀県周りの経路を選択.新名神,名神から米原JCTを経て北陸道へ.ずっと道路状況が悪く,時には泊まってしまうような有様だった.
しかし,福井から石川へ向かうにつれ,天候も路面状況も改善していった.ちょっと皮肉な感じではあった.
家族で無事に年の瀬を迎えられ,ありがたいことである.
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