2011年7月21日木曜日

木曜日はセミナ:Minimal Ramification Problem

前期最後の北陸数論セミナ.今日はminimal ramification problemについて.
Kisilevsky and Sonnの次の論文を中心として,最近の進展(講演者のNさんのお仕事も含めて)の紹介だった:

On the minimal ramification problem for ℓ-groups

(arXivだと,http://arxiv.org/abs/0811.2978 と思われる).

素数$l$に対して,$l$群$G$でランク($G^{{ab}}:=G/[G, G]$について$G^{{ab}}/(G^{ab})^{l}$の$\mathbf{Z}/l\mathbf{Z}$上の次元,$\mathbf{Z}$は有理整数環)が$n>1$であるものを考える.最小分岐問題とは,$G$を,Galois拡大$K/\mathbf{Q}$ ($\mathbf{Q}$は有理数体)で,たかだか$n$個の素点が分岐するようなもののGalois群として実現できるか,と言う問題をいうらしい.

上の論文では,ある特別な$l$群のクラスに対して,そのクラスに属する$l$群については肯定的であることを示している.さらに進行中の様子については,上の著者らの共同研究者であるNeftinさんのプレゼンなどが参考になる.

2011年7月18日月曜日

プール・Under current

子供にせがまれて,久々にプールで泳ぐ.泳ぐのではなく,子供がプールで水遊びをするのにつきあうのである.2人ともビート板を腹にあてがい,中腰になって水の中を歩き回ったり這い回ったりして大喜びだった.

試しに,水深1mほどのプールに移って,自分も泳いでみる.昔ちょっと凝ったことがあり,といっても自己流なので未だに平泳ぎ専門なのだが,水の中を滑空し,水を捕まえて引き寄せながら水面に乗り上げ,また水中に飛び込みつつ水を蹴り出す,と言う一連の動作を体がまだ覚えていた.

小一時間子供を遊ばせて撤収.

気怠い午後に,豊田 徹也「アンダーカレント アフタヌーンKCDX」など,ごろごろしながら読む.連載されていた頃にも楽しく読んでいたのだが,単行本を買うのは今頃になってしまった.静謐な,僅かに調和しない響きが残るストーリーである.

水つながりなのは偶然.たぶん.

2011年5月12日木曜日

連休半ば,のとじま水族館



連休半ばは,のとじま水族館へ日帰り.

道を調べてみると思ったほど遠くもなく,2時間少々である.氷見から中能登へ抜ける道は,山道でワインディングロード.水族館直前で30分近く渋滞していた.ドライバだけ車中へ残し,私と子供たちは10分ほど歩いて先に到着.11時前後.

園内に入るとすぐに,ジンベイザメの大きな模型があり,決まり事でもあるかのように皆写真を撮っている.ので郷に従う.家人とも合流.

最初の出し物は,いきなりジンベイザメの本物が泳ぐ大水槽.青い光の中を悠然と泳ぐ様を見て,手もなく感心していた.確かに大きいのである.

順路に沿ってみて回り,電気式カートに乗ったり(これならパパも運転できるぞ,と言ったら子供が不思議がっていた),ペンギンの行進をやり過ごしたり,昼食の時に味噌汁をこぼしたり(子供ではなく,私が),イルカショーを楽しんだりして,一日楽しく過ごした.

そういった家族が大勢ごった返す中にいると,ふと不思議の感にとらわれるのである.

連休前半

連休前半は,実家から父母が来て,孫たちと交流するという催し.天気があまりよくなく,特段観光らしい観光にも出かけず,家の周囲で遊んでいた.

子供たちは,ショッピングモールでおもちゃを買ってもらったり,ゲームセンターで遊んだり(乗り物に乗るくらいだが),甘いものを食べさせてもらったりと,年相応に楽しんだようだった.

下の子などは,トーマスのプラレールだの,プラレールの立体交差用レールだのを買ってもらい,喜んでいたが,むしろ父親の差し金であることにいつ頃気がつくのだろうか.

日曜の朝に帰路につく祖父母の車を見送りながら,上の子供が,「じいちゃ~ん!」と号泣するのが哀れを誘った.

2011年4月29日金曜日

木曜日はセミナ:Cohen-Lenstra Heuristics

恒例の,北陸数論セミナへ.今日は自分がしゃべる番で,H. CohenとH. W. Lenstraの,いわゆるCohen-Lenstra Heuristics(以下CLHと略)についての雑談をした.当該論文はこれ(PDF).参加者は他に2人で,ひっそりと.

CLHが紹介されるときには,しばしば,奇素数$l$を固定して,判別式$D$を持つ虚2次体の類数(イデアル類群の位数)$h(D)$が$l$で割り切れないような$D$の密度の評価式として述べられるようだ:



この式がどうもうまく表示されない.念のため別の方法でも書いておく:


これはもちろん誤りではないが,CLHはより根本的な予想を述べたものである.つまり,虚2次体のイデアル類群の奇部分が,「ランダムに分布している」,という主張である.つまり,奇数位数の有限Abel群の同型類全体$\mathcal{A}_{o}$の上で定義されている関数$f$に対して,$M_{-}(f)$と$M_{0}(f)$をを次のように定義する:



こちらもうまく表示されないので,別の手段でも書いておこう:

\[
M_{0}(f):= \lim_{X\to\infty} \frac{\sum_{[G] \in\mathcal{A}_{o}(X)}
\frac{f([G])}{|\text{Aut}{([G])}|}}{\sum_{[G]\in\mathcal{A}_{o}(X)}
\frac{1}{|\text{Aut}{([G])}|}},
\]
ただし,正の実数 $X$ に対して$\mathcal{A}_{o}(X)$は奇数位数の有限Abel群で位数が$X$以下のものの同型類全体,$\text{Aut}(G)$は$G$の自己同型群,$|S|$は集合$S$の元の個数,である.

このとき,虚2次体のイデアル類群の奇部分のランダムな分布(Cohen-Lenstraの論文で,Fundamental Assumptionとされているもの)とは,次のように定式化される:
\[
M_{-}(f) = M_{0}(f).
\]
右辺が,純群論的な量であることに注意されたい.

$f$として,考えている群に対する色々な性質の特性関数をとり,右辺を計算することで,イデアル類群の奇部分が同じ性質を満たす虚2次体の「密度」が求まる,という仕組みである.例えば奇素数$l$を取り,$G$の位数が$l$で割り切れないとき$1$, そうでないとき$0$とすると,上に述べたような無限積が現れる.

Cohen-Lenstraの論文の大半が,このような計算をするための枠組みの解説に費やされている.しかも,有限Abel群ではなく,Dedekind整域$A$を固定して,有限$A$加群に対して定式化されている.実際に2次体の密度の話がされるのは,最後の節だけである.

また,2次体だけでなく,より高次の体の族を扱おうという試みも当初からなされているが,より一層speculativeになる.

セミナではまた,関数体の場合の話も少しだけ触れた.

MathJaxを使ってblog記事を書いてみたが,ちょっともどかしい.普段通りにエディタの上でTeXの文書を書き,それをblogの編集画面に貼り付けるのが一番簡単なようである.また,blog記事のpreview画面では,意図したようにTeXでレンダリングされないこともたまにある.難しいものである.補助的に,オンラインで使えるEquation Editorも使用した.