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2014年10月26日日曜日

SLA

数学英語という講義を(同僚と共同で)担当していて,泥縄的に資料を読んでいる.私の担当は後半で,11月からである.

英語を教えること,学ぶことについて理論的な後ろ盾が欲しく,第二言語習得論(Second Language Acquisition)についての読み物を,先週から幾つか読んだ.アメリカでは,国防的な観点からも(!)母語以外の言語をいかに早く正確に修得するか,というテーマの重要性が認識されるようになり,研究が進んでいるという.
白井恭弘「外国語学習に成功する人、しない人―第二言語習得論への招待 (岩波科学ライブラリー)」,岩波ブックレット,の付録「知っておきたい外国語学習のコツ」から抜粋すると,学びたい言語に対して,
  • 背景知識のある,興味のある分野について大量にインプット
    • 内容が8割方分かるようなリスニング
    • 外国語で情報を入手
  • 日記,独り言を録音,チャットなどで少しずつでもアウトプットをする
  • 話す練習
    • 意味を通じさせる
    • 正しい文を言う
    • 正しい発音
    • コミュニケーションストラテジー(英語なら,well..., you know..., などが時間稼ぎのストラテジー)
  • 単語・熟語は文脈の中で覚える
  • 発音・音声は,意味・構文のわかっている文章で正しいお手本でリピート,シャドウイング
  • 文法は基本的なもの(中学〜高校1年)を文が作れる程度にマスター
  • 動機付け重要

数学を学ぶことについても,同様に成り立つことがあるのではないか,という点も気になる問題である.数学にも語学としての側面はある.自然言語と比べれば,かなり単純なのではないかとも思う.しかし一方で,母国語の後に第二言語(自然言語)を習得した人の数と,数学を習得した人の数を比べると,前者のほうがはるかに多いだとも思う.数学の場合,語学としての側面の他に,その言語によって記述される対象を認識できるようになる,ことが必要だからだろう.(ここで数学におけるプラトニズムに話を広げると収集がつかなくなる).

第二言語習得については,母国語の他に人工言語を学ぶ人達の研究があるのか興味がある.端的に言うと,プログラミング言語である.複数のプログラミング言語を学ぶために,SLAの知見が役に立つだろうか?


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2012年11月13日火曜日

どっちつかず

朝一の線形代数の直前に,


などとつぶやいたら少しく反響があった. 本によっては,ベクトル空間を公理的に導入したのは良いが,基底の定義には,有限生成の場合しか書いてなく,暗黙に,この場合のみしか扱わないということがある.(明示的に,その場合のみを扱うと宣言している本もある.例えば齋藤正彦先生の本).

有限生成の場合で十分では,という意見もあるとは思うが,例えば体の拡大の次数は,上の体を下の体上のベクトル空間と思ったときの次元で,そのときも有限生成の場合しか考えないのか,というとそうもいかないので,やはりどこかで,基礎体上有限生成でないベクトル空間の(代数的な)基底の話をしておかないといけないはずである.(例えば藤崎先生の「体とガロア理論 (岩波基礎数学選書)」には,I章に,無限生成の場合も込めて,ベクトル空間の基底の濃度が基底の取り方に依らないことの証明が載っている).

引き続き代数学.多項式環など.詳しくはテキストを読んで下さいね,という技を頻繁に繰り出している割に,思ったように進まない.

午後はB4ゼミ.平方剰余記号,Jacobi記号の性質など.平方ではない整数 $a$ に対して,素数 $p$ で,$a$ が法 $p$ で平方非剰余になるものが無数に存在する,という定理の証明が面白かった.

2012年10月2日火曜日

後期開始

今日からいよいよ後期開始で,しかも担当講義を火曜日の1,2限に詰め込んでいるので最初からフル稼働だった.

初回は,履修上の注意などをプロジェクタに映しながら(例によってPreziを使った)説明することにしている.なぜか皆さんシラバスを見てくれないので(本当に,なんでなんだろう),実際にはそれを読み合わせているのに近い.

今期は,1年生向けの線形代数,そして3年生向けの代数学である.

午後は,4年生のゼミ.前期から引き続きだが,間延びしないように適宜てこ入れを検討している.

2012年7月24日火曜日

講義・ゼミ終盤

前期終盤である.月曜2限,火曜1限目の線形代数も今日の演習でおわり.来週期末試験である.昨日までで,実内積空間上の正規作用素が,ブロック対角行列(対角にスカラ―もしくは特定の形の2次行列)の行列表示を持つ,というあたりまで講義した.今日は少しだけ演習問題の解答があり,あとは,普通の(日本語の)教科書での言葉遣いとの連絡をつけた.

今回の教科書,S. Axlerの"Linear Algebra Done Right (Undergraduate Texts in Mathematics)"は,偶々引き継いだのだが,特徴のある面白い教科書だった.twitterにアカウントがあり,それによると第3版を準備中らしい.

午後はB4ゼミ.来週も予定していたが,教員採用試験との兼ね合いなどから今日で前期終了となった.人生最後の夏休みですよ~,と余計なことを言っておく.


2012年5月27日日曜日

Sage Days 39 in Japan

Sage Days in Japanが九大伊都キャンパスで開催されたので,参加・講演してきました.

Sageは,Mathematica, Maple, Magma, Matlabなどの商用数式処理システム,数値計算システムをフリーソフトで置き換えようという野心的なプロジェクトです.現在,Linux各種ディストリビューション,Apple MacOS X,Microsoft Windows上で動きます.また,iOSデバイス(iPadやiPhone),Androidデバイス上で動くものも開発が進められています.

Sage Daysというのは,Sageの開発,また利用普及をするための集まりで,Sageユーザたちが自発的に行っているものです.これまでの様々な催し(世界各地での)についてはWikiにまとめられています.

初日は,主催者の一人横山さんの基調講演「数式処理システム Sage への誘い / A brief tour of some of Sage's features」から開幕.Sageがどんなものでどんなことができるのか,開発プロジェクトを率いるSteinさんの横顔や,実際にSageを使ってどんな計算が出来るのか,のプレゼンテーションでした.

会場に居る人は殆ど皆,ノートパソコンを持参していたようです(主催者が呼びかけたわけではないのに).午後は,それぞれのノートパソコンへSageをインストールするところから.

Macの人は,ほぼ苦労なく,ダウンロードしたものをインストールすることが出来たようでした.一方,Windowsの人は少し苦労があったようです.VirtualBoxという,無償で使える仮想化ソフトの上に,LinuxにSageをインストールしたものを導入するのですが,日本語キーボードや日本語フォントの未搭載など,解決すべき点があったようです.主催者の一人の沼田泰英さんが,相方の西山絢太さんとともに,それこそ残像が残るような機敏な動きで会場を走り回り,火消しに当たっておられました.

Windowsパソコンへの導入を回避する方法がもう一つあって,会場で配布されていたMathLibreを使う,と言うものです.こちらで使っていた方もおられました.MathLibreは,数学ソフトウェアをこれでもかというくらいにたくさん(もちろんSageも)導入した,Linuxディストリビューションです.DVD-ROMやUSBメモリに書き込み,それらからパソコンを起動することで,インストールせずに使うことが出来ます.

午後2コマ目は,実際にSageを試してみるというセッションで,主にSageを使うのに必要な,Pythonの実習でした.

Sageは実は,様々な数学ソフトウェアをPythonで束ねた統合ソフトウェアです.なので,使うには最小限のPythonの知識が必要です.

3コマ目は,福岡大学の濱田龍義先生(Knoppix/Math, MathLibreを作っている方)の,「Sage Days 韓国訪問記」でした.実は韓国で一足先に,Sage Daysが開かれていたのでした.また,Sageについての分厚い書籍(韓国語なので読めないですが,大体分かります)が出版されていたりもするそうです.

2日目は,私がSageを改造・改良するための一連の手順についてお話ししました.(プレゼンテーションスライドを下に貼っておきます.このほかに,実際にSageのソースコードを改変したり,改変したものを起動して計算したりのデモを行いました):



さらに2日目午前の2コマ目は,福岡教育大の藤本光史先生による「タブレット端末上の数式処理システムの現状とその実装」というご講演でした.リナックスの走るザウルス上でのRisa/Asirの実演や,パソコン上での手書き数式認識,また最近のiPadやAndroid端末上での数式処理システムの実装についてのご報告で,実に目を奪われました.

プログラムにあったのは以上ですが,午後は有志で,今回の集まりの反省,今後の,国内で開催するSage Daysについての方針の話し合いなどがもたれました.

会期中・会期後にtwitterでhash tag #SDJ39 付きで呟かれたものは,togetterでまとめを作りました.講演のプレゼンテーションやSageワークシートなどは,全部ではありませんがSage Days in Japan 39のウェブページからたどれます.また,会期中幾つかの講演はUstreamにて中継され,オンラインで視聴しtwitterなどで参加された方も大勢いらっしゃいました.


Live stream videos at Ustream

2010年10月21日木曜日

木曜日は講義二つ・金沢へ

木曜午前は,3年生向けの代数学の講義がある.昨年同様,中島匠一先生の「代数と数論の基礎 (共立講座21世紀の数学)」をテキストに,2章の「環と体」から始めた.ペース配分を考えながら着々と進めたいところ.

昼休みを挟んで,午後一に2年生向け線形代数学の続き.続き,というのは,月曜日の続きであり,つまり週に2回90分の講義がある(ので,半期で30回なのだ).Jordan標準形に向けて,体上の多項式の話を始めた.

線形代数学のコースがどんなものであるべきか,折々に考える.体上の加群と,それらの間の準同型写像の理論だというのが,狭義の線形代数学としよう.体上の加群は自由加群であること,依って線形写像は生成元(基底)の行き先で決まること(行列表示)が根本であろう.これらは多くの教科書で強調されるが,線形空間の双対性(双対空間の双対空間が,元の空間と自然に同型であること)はあまり触れられないようだ.

特定の体に依存する話はそれに続く各論と言うことになる.理論的・演繹的にどのように主題を並べるか,と言うことと,実際に講義する場合とで,何らかの違いが生じるか否か.数ベクトル空間や,行列の操作(基本変形や掃き出し法など)にどの程度の時間,ページ数を割くべきだろうか.

また,特に実数体,複素数体上の線形代数学は,コンピュータの上で具体的に計算することが広く行われている.厳密に計算できることもあれば,近似計算をする場合もある.伝統的な線形代数学のコースでは,こういった話題はあまり触れられない(掃き出し法やクラメールの公式などは使い処が限定される).云々.

夕方からは,金沢でのセミナへ向かう.まごまごしている間に,雨模様も手伝って高速バスを乗り逃がした.列車で移動し,15分ほど遅参.参加者の集まりが悪く,開始が遅れたので,冒頭から聴講できた.

類数が1の代数体は無数にあるか,と言う問題は,やや意外なことに未解決である.実2次体の中には類数が1であるものが無数にある,というのはGaussによる予想で,未解決である.これをずっと弱めて,奇素数を一つ固定して,この奇素数で類数が割りきれない実2次体は無数にあるか,あるとしたらどのくらいの密度であるか,と言う問題は,私が長く興味を持っている問題である.

一方,Weberに依るという,すべての2冪分体の最大実部分体の類数が1であろうというのも未解決だが,近年国内で進展があった.今回はこの問題に関する気鋭の研究者による講演だった.大変興味深く聴講した.

2010年10月18日月曜日

後期の講義;線形代数学II

後期の講義は,線形代数学II(2年生向け)と,代数学II(3年生向け).前者は週2回,月曜と木曜であり,後者も木曜である.木曜は隔週で金沢でのセミナがあり,やや忙しい.金曜にも不定期で講義がある(オムニバス形式なのだ).

線形代数学の講義は,前期を担当した同僚から引き継いだところ,正規行列が対角化可能であるとか,複素数体上の線形作用素のスペクトル理論とか,ほぼ一通り終わっているとのことだった.Jordan標準形から始めればいいのだが,教科書では証明が省かれており,しかも30回も講義回数があるとなると,時間余るように思われる.

なので,単因子論の前振りとして,整数行列のSmith標準形から話を始める.そのために,整数のEuclid性などから説き起こした.今日までの3回でSmith標準形が一段落.

応用として,有限(生成)Abel群の構造定理などを解説するのが定番だろうが,2年生向けと言うことで割愛.有限Abel群の当たり前でない(1の冪根の群など,巡回群でない)例で,2年生にも手短に説明できるものが思いつかなかった.2元2次形式の同値類を合成によって群と思ったものとか……?

種本は,木村達雄先生他の「代数の魅力」.

2010年4月14日水曜日

新年度学部ゼミ・初回

4年生のゼミも始動.今年は2人と,例年よりも小ぶりな規模である.昨年度後期,この学年の代数学を担当したので,難しいと敬遠されたのかな,と勘ぐる.

1人はその代数学を受講しており,もう1人は受講していなかったという.題材の選択に少し困ったけど,初等数論から始めることにした.

昨年度の代数学のテキストが,中島匠一先生の「代数と数論の基礎 (共立講座21世紀の数学)」だったので,その1章(講義は2章から始めた)を読む.5月の半ばから,ゼミ参加者のそれぞれが,やや時期をずらして教育実習に行ってしまう.それが終わってからが本番という段取りになるだろうか.

2010年4月12日月曜日

新年度修士ゼミ・初回

しばらくご無沙汰のこのブログ,新年度をきっかけに更新を再開したい.

今年度は,数学専攻全体で修士が14名.うち4名が私のゼミに所属する.3名は学部のゼミから持ち上がり,1名は別のゼミからの合流である.

春休みに間に,修士論文に向けて,これからの勉強の方針を立ててみたので,それを説明した.数学的な内容もさることながら,それなりの規模の(数十頁)作文をすることになる.そちらの方も,LaTeXなどの技術的なことと,より一般的に「読んで書く」ということとについて,参考文献を挙げた.

2年はそれほど長い時間ではないので,脇目を振らずに突進して頂きたい :)

2010年1月25日月曜日

√x まとめ

twitterで,√xについての一連のつぶやきに参加することが出来ました.なかなか得難い経験で,また内容的にも興味深く感じたので,まとめの頁をtogetterで作りました.簡単のため,以下にも埋め込んでおきます.

もともとの新井先生のつぶやきが,「まじで泣きそうになった」という表現で,多くの耳目を集めたものと思われます.少しやりとりの後,
(以下新井先生のつぶやき)みなさんは問題の所在を「教える内容」だと思っていますがそれは違います。彼らは、(1)4=x^2をみたすxを求めなさい、という問題には、正しく2,-2と回答する。(2)√4はいくつですか?と聞くと、2と正しく答える。(3)が、√xの定義はなんですか?と聞くと、二乗するとxになる数と答える論理的な破たんにあるのであって、「本来√はどのように教科書で定義すべきか」というような技術論ではありません。

と,核心となる点が明示されたように思います.詳細は,新井先生のblog記事にもあります.

また,話の流れを受けて,「数学ガール」シリーズの他多数の数学・プログラミング言語についての著作のある,結城浩さんが,「√xの定義についての対話」という文章を公開されました.数学の理解における産婆術というべきもので,同氏の面目躍如たるものがあると思いました.

数学の勉強をしていると,それまで自分が知っていたこと,経験してきたことと,新たに学んだことの間に不整合があるように感じる瞬間があるものです.これは,理解が不十分であることが露呈した瞬間で,そこで「考える」ことで,新しい知識を獲得するのみならず,既に知っていたと思っていたことへの理解が深まるものです.

そういった,自分の知識の内部にある不整合を意識して,考えることでそれを正していくというのは,高度に非自明なことのように思います.自然にそれが出来る人はごく少数でしょう.なので,中高での数学学習の際に,強調されるべきだという主張には,私は大いに賛成します.

それに適切な題材を見つけ,また教師側にも上のようなことを念頭に置いた上で指導を行う,というのが次にすべきことと思います.

少し別の論点ですが,定義を述べよ,というたぐいの質問に答えるのは,別の種類のスキルが必要だと思います.前後の文脈を補い,必要に応じて記号を導入して,正しく述べることです.

例えば「√xの定義を述べよ」と言われたときに,「xを実数とする」などのように文脈を補うこと,そして,xが正,0, 負の場合を尽くして,正しく解答する.

これは,数学科の4年次のセミナなどでも口を酸っぱくして指導することの一つです.

最近はメディアでも取り上げられることの多いtwitterですが,今回の一連のつぶやきは,それが実際どのようなものであるのかの,わかりやすい例になっていると思います.

2009年10月14日水曜日

代数学II・環

火曜日の代数学IIの2回目.環の定義から.

定義を述べて,解説.さらにいくつか例を挙げる.ここらへんは,「だからどーした」という感想を持たれがちな箇所であるような気がする.零元の一意性などをやっている内に時間切れ.次回,分配法則を使って(-a)×(-b) = ab なんかをやる予定.

前回はオリエンテーションで,講義に入った初回が今回だったのでかなり安全運転.受講生の皆さんには,予習復習をするよう繰り返しお願いしている(そしてそれが出来るテキストを選んだつもり).次第に快適なペースに移行していこう.

2009年10月7日水曜日

後期の代数学II開始

後期の担当講義,「代数学II」が開始.内容は,環・体・群の初歩.

数年前から,前期の代数学Iが初等数論から代数系の導入くらいまで,後期からいわゆる代数学の講義を始めるようになった.カリキュラムの改訂があってから,この講義を持つのは初めてかもしれない.

初回なので,シラバスに沿って事務的な事柄を確認.導入のためのお話など.前期に学んだ初等数論は,殆どFermat, Euler, Gaussらによって開拓されたんですよ,などと,彼らの肖像をプロジェクタで投影しながら.教科書の演習問題から,√2 + √3 が無理数であることを示せ,というクイズに答えて貰う.

今回の講義,教科書は「代数と数論の基礎 (共立講座21世紀の数学)」.普通のテキストのよりずっと書き込まれた行間のおかげで,受講者諸君の自習・予習がしやすいだろうと期待しているところ.

2009年1月29日木曜日

数値解析学:ODEの数値解法の実装

水曜日の数値解析学、今回はEuler法やRunge-Kutta法のC言語での実装を目標に、パソコンの並んだ部屋で実施。

単に数値を並べるだけではつまらないので、gnuplotでグラフを表示し、それをEPSに保存してLaTeXの文書に貼り付けるというところまでやってもらうことにした。

すらすらと出来てしまう人も居るし、要所要所で手助けすれば出来る人も居るし、難しいと思う人もいるし、いろいろである。短時間で完遂しなくてもいいので、とにかくゴールに達すればよい。

コンピュータで計算し、グラフで可視化し、文書を作成するというスキルを身につけて欲しいと思う。プレゼンを貼り付けておく↓(Google Docs)

2009年1月28日水曜日

ゼミ終了

4年生のゼミは今週で最終回。代数体の整数環や整数底、判別式など導入した時点で終了であった。半端な印象が残るが、参加者の状況でやむを得ない。

概念を積み上げることで数学的な対象を構築するという事に、大きな困難を覚える人が居るということを思い出させられた、と総括したい。そのほか思うことが多々あるが、ここで喧伝することでもないだろう。

既に、次年度のゼミの募集が始まっている。次のゼミの運営に生かしたいと思う。

2009年1月22日木曜日

水曜日の授業:数値解析学

数値積分を終わり、今度は常微分方程式。Euler法、Heun法(ホイン)、Runge-Kutta法をさらさらと解説。局所誤差については話しそびれて、次回へ持ち越し。次回は、実装をやろうと思う。

常微分方程式の数値解法では定番のRunge-Kutta法、最初の人は、Carl David Tolmé Rungeというドイツの数学者で、ワイエルシュトラウスの弟子だったという(1856--1927, リンクはwikipedia.org). Lagrangeの補間多項式(に限らず、等間隔のサンプル点での多項式補間)が、端のほうで行儀悪く振舞うというRungeの現象も、この人を指す。

2009年1月10日土曜日

年明け最初の授業:数値解析学

年末に例年研究集会が開催され、一昨年に続いて昨年も自分の講演があったためきりきり舞いを舞っていた.そちらは別に書くとして、皆様明けましておめでとうございます.

年明け早々の授業は、火曜日の洋書購読と、水曜日の数値解析学.洋書購読のほうは淡々と進む.ようやくquantifierなどが出てきて、所謂一階の述語論理だろう.アメリカの教科書らしく、簡単なことでも冗長を厭わず一通りかいてある.演習問題も沢山出ていて,ゼミ形式で全部やると些か過剰かもしれない.

数値解析学は数値積分の章に入る.台形則など.テキストは相変わらず「理工系の基礎数学 (8) 数値計算」.参考文献として(むしろアンチョコとして)「ニューメリカルレシピ・イン・シー 日本語版―C言語による数値計算のレシピ」も使用中.

教科書では,話題が絞ってあり,またすべての導出の過程を述べずに結果だけの事も多い.お陰でテキストが読みやすくなる利点はあるのだが,詳細を知りたいときには,どの参考文献の何処を見れば良いのかが書いてあるともっと良かった.大抵,ニューメリカルレシピに出ているのだが.




2008年11月6日木曜日

水曜日の授業:数値解析学

前回に引き続き、実際にプログラムを書いてもらう実習。二分法の概略を復習した後で、実装してもらう。

20分程で一通り出来上がる受講生と、40分位経っても右往左往という受講生と、截然と分かれる。これぞまさしく二分法。

いささか時間が押してしまい、Newton法の原理を駆け足で説明。直感的には理解しやすいはずである。Newton法の実装には殆ど時間が取れなかった。

次回は出張のため一回休み。その間のレポートを出題し、Newton法の実装はその中に含めた。

2008年11月5日水曜日

火曜日は月曜日:4年生ゼミ

月曜が潰れがちな後期は、ときどき他の曜日に月曜の授業が入る。

4年生ゼミは難航中。ガロア理論は難しいのだなぁ、と再認識した。確かに、写像(自己同型)、群、体の拡大を見比べながら議論しなくてはならない。

それ以前の、きわめて基礎的な理解の欠如が見られることもあり、大鉈を振るうタイミングを計る昨今である。

2008年10月30日木曜日

水曜日の授業:数値解析学・方程式の数値解

今日は計算機の並んだ部屋で、実習。

前回のアルゴリズムの表記法を実際にC言語で書いてみる、更に、方程式の数値解法(二分法)を学び、それもCで書いてみる、というのが目標。テキストの「理工系の基礎数学 (8) 数値計算」の二章。

ところがプロジェクタが不調だったり、何故か私の環境でだけcygwin上のgccでのコンパイルがうまくいかなかったりと、手間取った。リンカがcrt.oがないような事を言うのだが、学生諸君は正常にコンパイルできるし、謎である。古い環境変数でも残っているのか……。

というわけで、思ったとおりには進まず、次回へ持ち越しとなった。

受講生諸君(主に3年生)は、前期で学んだC言語の講義で、教科書として高橋麻奈「やさしいC 第3版 [やさしいシリーズ]」を使ったらしい。数年前にその授業を担当した際、同書をテキストにしたのは私である。C言語の教科書は非常に沢山あるが、初等的なレベルからC言語の仕様をほぼ網羅していること、内容に誤りが少ないこと、ここの環境に依存する記述が少ないこと、などの理由から、初学者にはお勧めである。


2008年10月29日水曜日

火曜日の授業:洋書購読・相貫円柱

例によってDaepp, Gorkinのテキスト「Reading, Writing, and Proving: A Closer Look at Mathematics (Undergraduate Texts in Mathematics)」で洋書購読。演習問題の一つが、相貫円柱の共通部分の求積。

半径1の円盤を底にする高さ1の円柱が2本、軸を直交させて交わっているとする。共通部分の体積を求めよ、という問題。一旦図形を把握できれば、高校生程度の微積で答えは出る。この演習問題を担当した学生も、そつなく解答していた。

歴史的には、アルキメデスがこの図形の求積を行っている。

この図形の側面の面積を求めること、軸が直交する三つの円柱の共通部分の体積を求めること、更に正四面体の頂点から面への垂線を軸とする円柱の共通部分の体積を求めること、などなど、いい気晴らしになりそうな問題。