2009年1月15日木曜日

Hardy Wright 6th edition

普通Hardy-Wrightとして言及される「An Introduction to the Theory of Numbers」の第6版を購入.折からの雪の中を,注文の翌日に届けるAmazon.co.jpとペリカンは偉い.

Hardyは勿論,Wright(リンクはWikipedia)も数年前に逝去している.新たな編集者として,J. Silvermanと,R. Heath-Brownがこの版を起こした.序文はA. Wilesで,学生時代に本書とDavenportのHigher Arithmeticに心酔した旨が述べられている.

本の構成で一番大きな変化は,25章「楕円曲線」が加わっていることである.どちらかというと鄙びた印象のこれまでの版に,突如モダンな部分が現れて,あるいは賛否があるかもしれない.それ以外にも,章末のNoteには相当数の更新が行われている.2次体の章の末尾に,Cohen-Lenstra予想への言及があるのを見つけた.

私自身は全体を通読していないが,拾い読みをしていても楽しい.標準的な数論のテキストとは違う,バラエティ豊かな本である.そういえば,はじめの幾つかの章を洋書購読の授業で読んだこともあった.

本書第5版に基づいた邦訳「数論入門〈1〉 (シュプリンガー数学クラシックス)」,「数論入門〈2〉 (シュプリンガー数学クラシックス)」があり,人気が高いようである.6版の邦訳はでるだろうか.

冗談半分で予言を書いておこう.第7版で26章「保型形式」が加わり,第8版で27章「Galois表現」が加わり,第9版で28章「Langlands予想」が加わり……そのころには予想ではないかもしれないが.







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