2014年10月20日月曜日

女の決闘

原さんのblogで触れられていたので,太宰治の「女の決闘」を読む.Kindle版なら無料ですぐに手に入る.

実は太宰治は敬して遠ざけていて,「走れメロス」,「人間失格」,「斜陽」や「ヴィヨンの妻」などを子供の頃に読んで,それきりだった.

「女の決闘」は,森鴎外の翻訳短編を補作しながら,その補作の様子に解説を加える文章もあるという多重階層をもった作品である.読み流せば面白い作り物ということでおしまいだが,どの階層で誰がどの階層に言及しているのかを考えだすと,その作りこみ具合がたいへん精緻である.そしてまた,印象的なのは,一瞬にして移ろう感情の流れを高い解像度で鮮明に写しとる太宰の技法の冴えである.

未読の方には強くおすすめしたい.

今日は午後からB4ゼミがあった.メンバの一人が黒板を消す様子が,羽衣文具が公開する「黒板をキレイに拭くことが上手くできないんんだけど、コツなんてあるの?」と同じだった.「その消し方はどこで教わったのですか?」と尋ねると,高校の先生がそういう流儀だったとのこと.チョークの粉が粉受けに落ちるように,黒板消しを上から下に使うのである.言われてみれば当然のことでも,自分では気づかないことであった.先日twitterで教わったばかりだった.

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