英語を教えること,学ぶことについて理論的な後ろ盾が欲しく,第二言語習得論(Second Language Acquisition)についての読み物を,先週から幾つか読んだ.アメリカでは,国防的な観点からも(!)母語以外の言語をいかに早く正確に修得するか,というテーマの重要性が認識されるようになり,研究が進んでいるという.
白井恭弘「外国語学習に成功する人、しない人―第二言語習得論への招待 (岩波科学ライブラリー)
- 背景知識のある,興味のある分野について大量にインプット
- 内容が8割方分かるようなリスニング
- 外国語で情報を入手
- 日記,独り言を録音,チャットなどで少しずつでもアウトプットをする
- 話す練習
- 意味を通じさせる
- 正しい文を言う
- 正しい発音
- コミュニケーションストラテジー(英語なら,well..., you know..., などが時間稼ぎのストラテジー)
- 単語・熟語は文脈の中で覚える
- 発音・音声は,意味・構文のわかっている文章で正しいお手本でリピート,シャドウイング
- 文法は基本的なもの(中学〜高校1年)を文が作れる程度にマスター
- 動機付け重要
数学を学ぶことについても,同様に成り立つことがあるのではないか,という点も気になる問題である.数学にも語学としての側面はある.自然言語と比べれば,かなり単純なのではないかとも思う.しかし一方で,母国語の後に第二言語(自然言語)を習得した人の数と,数学を習得した人の数を比べると,前者のほうがはるかに多いだとも思う.数学の場合,語学としての側面の他に,その言語によって記述される対象を認識できるようになる,ことが必要だからだろう.(ここで数学におけるプラトニズムに話を広げると収集がつかなくなる).
第二言語習得については,母国語の他に人工言語を学ぶ人達の研究があるのか興味がある.端的に言うと,プログラミング言語である.複数のプログラミング言語を学ぶために,SLAの知見が役に立つだろうか?
白井 恭弘
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