2014年10月22日水曜日

お伽草紙

午前,午後とM2ゼミ.Ireland-Rosenを読んでいる.そして修了に向けての打ち合わせ.午後は早めに終わった.

その後は学部生との助言教員面談のために研究室待機である.ぱらぱらとあらわれる学生の方々と,面談.単位取得状況や出席状況,進路の希望などのインタビューをする.そしてメモを学内の履修管理システムに登録した.

行き帰りの市電の中で,太宰治の「お伽草紙」を読む.先日「女の決闘」に触れたら教えていただいた作品だ.こちらはよく知られた昔話,「瘤取り」,「浦島さん」,「カチカチ山」,「舌切雀」をそれぞれ再話したものだが,作者によって自由に味付けされていて,その語り口と諧謔に幾度と無く吹き出さずにはいられない.

「舌切雀」を読み終えてしんみりしていると,しかし,このお話の始まりは,防空壕の中で空襲を気にしながら,幼い子供に昔話を読み聞かせている作者の胸中だったはずで,そのへんはどうなったんですか,と問わずにはいられない仕組みでもあるようだ.

随分と冷え込んで,冬を予感させる夕方だった.

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