2008年1月30日水曜日

火曜日の授業:複素解析学I

今週の火曜日は金曜日の時間割(先週の金曜日がセンター入試設営作業のため休講だったから?).
複素解析学Iの講義の最終回.大慌てでCauchyの積分定理の一般の場合をやるよりも,計算例の紹介などをやったほうがいいと判断した.

教科書に指定している,高橋礼司「新版 複素解析 (基礎数学)」は,一般の場合のCauchyの積分定理の主張と証明に工夫がしてある.そこまで説きおよばなかったのは残念だけど,次年度の講義に引き継ぐことにする.

前回積み残したMoreraの定理などを話してから計算例を,と思ったのだが,話す内容が少ないと解説が丁寧になり,計算例を解説する時間が余り取れなくなってしまった.反省.

金曜日に期末試験をして終了の予定.今期の講義は全て終わりで,ほっとしている.

2008年1月27日日曜日

金曜日の授業:複素解析学I

Cauchyの積分定理の特別な場合をいくつか.積分経路が三角形とか,円周とか.考えている複素関数が定義されている開集合が凸の場合とか.それに基づいて,Cauchyの積分公式の特別の場合,正則関数が解析的であること,で時間切れだった.積分公式の応用とMoreraの定理は次回(時間割が変則で,次回は火曜日.これが最終回).

Cauchyの積分定理を一般の場合に証明するか,それは来年度の授業に回して,少し計算例や応用例をやるか.来年度の授業は私が担当ではないので,微妙である.積分定理の応用としての留数計算などは,もともと,来年度の授業でカバーするカリキュラムなのだが.

2008年1月25日金曜日

火曜水曜の授業:Riemann zetaの解析接続と関数等式

今回で最終回。Riemann zeta関数の偶数点での値を決めるEulerの仕事の紹介から。
sin(z)/zの無限積展開を得て、「解と係数の関係」からζ(2)を計算するのを実演。
次いで、cot(z)の部分分数展開からBernoulli数を用いた表示を得る計算を紹介。

引き続きRiemann zeta関数の解析接続と関数等式の話に突入。
こちらは、H. M. EdwardsのRiemann's Zeta Function (Pure and Applied Mathematics (Academic Press), 58.)の1章に沿う形で紹介。
同時に、受講者にはリーマン論文集 (数学史叢書)も紹介し、私も参考にしつつ講義。

議論は些か省略しなければならなかったけども(Γ関数の性質を既知としたり)、ζ関数の解析接続と、関数等式の第二の証明(θ級数の関数等式に基づくもの)を紹介した。ζ関数から定まる整関数ξも導入して、お話し程度にRiemann仮説にも言及。

時間内に収まるわけはないと思ったけど、やはり素数の個数の評価とζ関数との関係に踏み込めなかったのは残念。

今回の講義には、数論や代数学を専門とする学生がほとんどいない状況だった。ので、あまり代数的な手法が込み入らず、専門外の受講者にも興味を持ってもらえそうな話題を選んで話したつもり。前半は素数が無限個あることやBertrandの仮説を説明。素朴な(一年生の微積分で片付く範囲の)解析で素数の個数を評価した。Dirichletの算術級数定理は、実は予定外だったけど、うまく尺に収まった。Riemann zeta関数の話と合わせて、複素解析の応用の一つとして楽しんでもらえたかなぁと思う。

大学院生向けには、来年も同様の講義を担当する。続きとして、ζ関数と素数の個数(素数定理)の話をするか?ちょっと踏み込みすぎな感じかもしれない。






2008年1月17日木曜日

火曜水曜の授業:Riemann zetaの偶数点での値

火曜水曜の授業は,前回の予告のとおり,バーゼル問題,つまりRiemann ζ関数の正の偶数点での値を計算する問題.例えばΣ n-2 = π2/6.

いろいろなテキストで紹介されているように,z cot z を部分分数に展開したものと,Taylor展開したもの(係数にBernoulli数が現れる)を比較することで所期の結果を得る,という証明を紹介.高木貞治「解析概論」の5章64節からの記述に沿っている.



しかし,四年生の授業でも大学院の授業でも,z cot z の部分分数展開と,sin z/z の無限積展開を与えたところで時間切れ.結論部分は次回に持ち越しとなりました.

次回以降は,ζ関数の解析接続と,関数等式を紹介し,ついで負の整数点での値を述べる予定.これも一回では収まらないかもしれない.

2008年1月13日日曜日

金曜日の授業:複素解析学I

今週の複素解析学は,前回の落穂拾いで,複素変数のlogを導入.

さらりと説明して,次の章に進んだ.Cauchyの積分定理が目標で,まず複素関数の線積分を導入.多くのテキスト同様,区分的に滑らかな曲線に対して,パラメタ表示を使って直接定義してしまう.

なお,お話程度に,コッホ曲線やシェルピンスキ曲線にも言及.

残すところ後二回ほど?時間的には余裕ないなぁ.