sin(z)/zの無限積展開を得て、「解と係数の関係」からζ(2)を計算するのを実演。
次いで、cot(z)の部分分数展開からBernoulli数を用いた表示を得る計算を紹介。
引き続きRiemann zeta関数の解析接続と関数等式の話に突入。
こちらは、H. M. EdwardsのRiemann's Zeta Function (Pure and Applied Mathematics (Academic Press), 58.)
同時に、受講者にはリーマン論文集 (数学史叢書)
議論は些か省略しなければならなかったけども(Γ関数の性質を既知としたり)、ζ関数の解析接続と、関数等式の第二の証明(θ級数の関数等式に基づくもの)を紹介した。ζ関数から定まる整関数ξも導入して、お話し程度にRiemann仮説にも言及。
時間内に収まるわけはないと思ったけど、やはり素数の個数の評価とζ関数との関係に踏み込めなかったのは残念。
今回の講義には、数論や代数学を専門とする学生がほとんどいない状況だった。ので、あまり代数的な手法が込み入らず、専門外の受講者にも興味を持ってもらえそうな話題を選んで話したつもり。前半は素数が無限個あることやBertrandの仮説を説明。素朴な(一年生の微積分で片付く範囲の)解析で素数の個数を評価した。Dirichletの算術級数定理は、実は予定外だったけど、うまく尺に収まった。Riemann zeta関数の話と合わせて、複素解析の応用の一つとして楽しんでもらえたかなぁと思う。
大学院生向けには、来年も同様の講義を担当する。続きとして、ζ関数と素数の個数(素数定理)の話をするか?ちょっと踏み込みすぎな感じかもしれない。
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