2010年1月25日月曜日

√x まとめ

twitterで,√xについての一連のつぶやきに参加することが出来ました.なかなか得難い経験で,また内容的にも興味深く感じたので,まとめの頁をtogetterで作りました.簡単のため,以下にも埋め込んでおきます.

もともとの新井先生のつぶやきが,「まじで泣きそうになった」という表現で,多くの耳目を集めたものと思われます.少しやりとりの後,
(以下新井先生のつぶやき)みなさんは問題の所在を「教える内容」だと思っていますがそれは違います。彼らは、(1)4=x^2をみたすxを求めなさい、という問題には、正しく2,-2と回答する。(2)√4はいくつですか?と聞くと、2と正しく答える。(3)が、√xの定義はなんですか?と聞くと、二乗するとxになる数と答える論理的な破たんにあるのであって、「本来√はどのように教科書で定義すべきか」というような技術論ではありません。

と,核心となる点が明示されたように思います.詳細は,新井先生のblog記事にもあります.

また,話の流れを受けて,「数学ガール」シリーズの他多数の数学・プログラミング言語についての著作のある,結城浩さんが,「√xの定義についての対話」という文章を公開されました.数学の理解における産婆術というべきもので,同氏の面目躍如たるものがあると思いました.

数学の勉強をしていると,それまで自分が知っていたこと,経験してきたことと,新たに学んだことの間に不整合があるように感じる瞬間があるものです.これは,理解が不十分であることが露呈した瞬間で,そこで「考える」ことで,新しい知識を獲得するのみならず,既に知っていたと思っていたことへの理解が深まるものです.

そういった,自分の知識の内部にある不整合を意識して,考えることでそれを正していくというのは,高度に非自明なことのように思います.自然にそれが出来る人はごく少数でしょう.なので,中高での数学学習の際に,強調されるべきだという主張には,私は大いに賛成します.

それに適切な題材を見つけ,また教師側にも上のようなことを念頭に置いた上で指導を行う,というのが次にすべきことと思います.

少し別の論点ですが,定義を述べよ,というたぐいの質問に答えるのは,別の種類のスキルが必要だと思います.前後の文脈を補い,必要に応じて記号を導入して,正しく述べることです.

例えば「√xの定義を述べよ」と言われたときに,「xを実数とする」などのように文脈を補うこと,そして,xが正,0, 負の場合を尽くして,正しく解答する.

これは,数学科の4年次のセミナなどでも口を酸っぱくして指導することの一つです.

最近はメディアでも取り上げられることの多いtwitterですが,今回の一連のつぶやきは,それが実際どのようなものであるのかの,わかりやすい例になっていると思います.

2009年12月6日日曜日

ケロちゃん


1歳になった長男への誕生日プレゼントに,バムとケロシリーズのケロのぬいぐるみを選んだ.蝶ネクタイは家にあったもの.左手に付けているのも,その辺に転がっていた髪留め用の飾りである.

ケロちゃんのぬいぐるみは実にラブリーで,見ているだけで顔がほころぶ.


2009年11月23日月曜日

立山で初滑り

立山で初滑り(実際に滑ったのは,11/22の日曜日).

例によって朝8時過ぎの電車に乗り,立山室堂に着いたのが10:30過ぎと,押っ取り刀である.

例年よりも雪が少ないが,それでも十分滑れる状態.露岩に気をつける必要はある.

一ノ越に向かう途上,綺麗な斜面が足下に残っていた.我慢できず,シールを外してドロップ.でも全然思ったように滑れない(ちなみに私はテレマークスキーという流派に属する).よろよろしながら下って,もう一度シールを貼って登り出す.

その後,ちょっと気になる斜面を見つけると30分少々登って,またよろよろ滑り降りる,ということを繰り返しているうちに勘が戻ってきた.浄土山から祓い堂の方に伸びる斜面などを滑って,それなりに納得.

更に帰り際,最初に滑った斜面の綺麗なところをもう一度滑って,得心.

15時のバスで下山した.今年は寡雪の予報だが,どうなるだろうか.

2009年11月1日日曜日

立山

久しぶりに立山へ.
冬山装備で望む.

8時に最寄り駅から電車に乗ると,10時半には室堂ターミナルを出発できるのは地の利といえる.快晴.観光客も多い(外国からも).

登山道にも雪が載っているので,室堂山荘を過ぎてしばらく行ったあたりでアイゼンを付ける.祓堂から一ノ越を見ると,既にシュプールが付いていて,一人スキーを履いて降りてくる人がいる.話を聞くと,数日前から山小屋関係者が滑ったりしていたそうだ.その人も宿泊施設勤務とのことだった.




一ノ越に着くと北アルプスの展望が素晴らしい(写真参照).風が少しある.ペットボトルがひゅーとっと音を立てるくらい.雄山には届かないと思ったが,時間の許すかぎり登る.全く静かで,風が耳を打つ音のみ.五の越で13時,時間切れで下山する.




15時発の高原バスで下山,16時過ぎに立山駅で家族と合流した.



2009年10月24日土曜日

Kindleで日本語を表示できた(あくまで絵として)

先日入手したKindleは非常に楽しいおもちゃである.ただ,当初の目論見が外れたのは,PDFを正しく閲覧するのがそれほど簡単ではないということである.この記事では,PDFファイルをKindleで読める形式に変換する方法と,それを多少改良して,日本語を含んだPDFファイルをKindleで読める形式に変換する方法を説明する.

Amazon.comから割り振られたメールアドレスに,Kindleで読みたいPDFファイルを添付書類として送ると,Kindleで読めるファイル形式に変換してくれる.変換されたファイルが,Whispernetで自分のKindleに送り込まれる.ただし1MBあたり$0.99かかる.また,スパム防止のために,amazon.comのKindle専用のページで,PDFファイルを送るアドレスを指定しておく必要がある.

問題は,この変換がかなり機械的なもので,英文の箇所以外はほぼ使い物にならない.図は無視されるようだし,表組みも乱れる.そしてなにより,数式も保たれない.

■PDFを画像にしてしまい,電子ブックとしてKindleに転送
解決法の一つは,PDFを各ページごとの画像にしてしまうことである.実際にこれをやってくれるのが,PDFread 1.8.2である."PDFRead 1.8.2 released!"の,#1の記事の末尾に,ファイルが添付されている.Microsoft Windowsのユーザは, pdfread-1.8.2-Installer.zipをダウンロードし,解凍すると現れるインストーラを起動すればよい.

上記で使えるようになるPDFread 1.8.2 (Windows版)は,GUI形式でパラメタを設定できる.ファイルのフォーマットはprc, profileは prc-mobi-pとしてPDFを変換すると,Kindleで表示できるファイルが出来る.KindleをPCにUSBで接続すれば外付けドライブとして認識される.Kindleのdocumentsというフォルダに,PDFreadの出力ファイルをコピーして接続を解除すると,Home画面で今コピーしたファイルを確認できる.写真が上の手続きの例である:

From Kindle

いうまでもなく,いったん画像に変換してしまっているので,検索などは出来ない.

このPDFread(Windows版)は,GUIで指定されたパラメタからコマンドライン版(pdfread)のオプションを組み立て,このコマンドライン版(実はPythonスクリプト)を起動しているだけである.また,pdfreadを読んでみると,だいたい次の処理をしている:
  • GhostscriptでPDFファイルの各ページををpng画像に変換し,特定の書式のHTMLファイルを生成する
  • 上記のHTMLファイル(とpng画像)から,mobipocket形式のファイルを生成する

■日本語を含むPDFファイルを画像に変換して同じ事をする
つまり,PDFread内で起動されるGhostscriptが日本語を理解するもの(ghostscript-cjkなど)ならば,日本語のPDFファイルからでも,Kindleで読めるファイルが生成できるはずだ.

Windows版でやるなら,PDFreadのインストールされたフォルダ内のgsというフォルダを,日本語対応版のそれ(例えばcygwinに含まれるもの)と入れ替えれば良いのだと思う.実際には試していない.

コマンドライン版のpdfreadが,Windows版のPDFreadがインストールされたフォルダ内のsrcというフォルダに含まれている.あるいは,正式配布場所の「Welcome to PDFRead」からダウンロードできる.これをLinux環境で実行した.幾つか必要なパッケージがある.Ubuntuなら,次のようにして揃えられる:

sudo apt-get install pdftk python-imaging pngnq gs-common djvulibre-bin libtiff-tools unpaper optipng


さらに,gs-cjk-resource他,mapfileのcmap-adobe-japan1や日本語フォントttf-kochi-gothic, ttf-kochi-minchoも必要である.synapticsでインストールすれば良い.

Windows版の時を参考に,コマンドラインを指定する:
  • プロファイル(-p)がprc-mobi,
  • 出力ファイル(-f)prc

がポイント.
$ python ./pdfread.py -p prc-mobi -t "On 2-part of Tame kernel of quadratic fields" -a "Iwao KIMURA" -c "math" -f prc ~/DocMath/HokurikuNT2009May/handout.pdf
(実際には1行で)のようになる.


ただし,私が試したときにはHTMLファイルとpng画像しか生成されなかった.これらのファイルを再びWindows環境に(USBメモリで)移動して,GUI版のPDFreadに同梱のNRhtml2mobiというファイルでmobipocket形式に変換した.これは,mobiperlという,mobipocket形式のファイルを操作するためのperlスクリプト群の一つを,実行形式(exeファイル)に変換したもののようである.

出力結果が,次の写真である:
From Kindle

もう少し工夫の余地があると思うので,追求していくつもりである.