2012年8月29日水曜日

連続する自然数の積はべき乗数になるか:平方にはならない

自然数$k$について,$k(k+1)\dots(k+n-1)$, つまり$k$からの連続する$n$個の自然数の積が$n$乗数ではない,ということを昨日は見た($n>1$).例えば,$k(k+1)$は平方数ではない.

1939年の論文で,P. Erdösが,$k(k+1)\dots(k+n-1)$は平方数ではないことを示している.もしこれが平方数$y^2$だとして,$k+i = a_i x_i^2$, $i=0, 1, \dots, n-1$, $a_i$は無平方,と書いたとする.$a_i$の素因数$p$は$p < n$となる.(なぜなら,$p\mid a_i$から$p\mid y^2$, よってある$j$について$p\mid a_j$. よって$i\equiv -k \equiv j\mod{p}$. よって$p\mid i-j$, よって$p < n$.)以下,$k(k+1)\dots(k+n-1)$が平方数だとして,これら$a_1,\dots, a_n$が相異なることを示し,矛盾を導く.

難しいことは使わないが,Bertrandの仮説,Sylvester-Schurの定理,二項係数の$p$進付値の評価などを組み合わせた証明は,例によってマジックを見ているようである.

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