2013年5月20日月曜日

錯覚から自らを解放するために

月曜1限1年生向けの線型代数は,3次元空間での線型変換など.具体例として,回転や射影を扱う.次回以降,3次の正方行列の行列式を扱うのだが,「数学セミナー 2013年6月号 ベクトル・行列が見せるもの」の当該特集を受講者諸君に勧めてみた.「数学セミナー」という雑誌を知っていたのは,4~5名という印象だった. 

出席を確認するのと,理解度を見るために,毎回小テストを実施する.教科書の本文中の問を,15分ほどでできるところまで解いてもらう.成績には反映させない(出席も,小テストのでき具合も).これは非常によい方法と自負している.正しいことをしゃべれば,受講者が理解する,という錯覚から自らを解放するために. 

午前の残りの時間は,小テストの集計とコメントに使う.てにをはの整った,読める文章を書いてください,というのが一番多いコメントで,これはもう判子を作りたいくらいだ.判子を作るための小さな3Dプリンタなど商品化されないだろうか.

昼食を挟んで,午後はM2ゼミ.先週の水曜日に引き続き,小野孝先生の「数論序説」の2章の終わりあたりを読む.2次体のArtin写像と,特にそのkernelの決定まで.Dirichletの算術級数定理の証明は3章以降なので,それは認めて使う.考えている2次体で分解する素数が存在することが,それで保証される.2章まで終わったので,別の文献に移ることも含め,今後の方針を話し合った.

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