GMP(GNU Multiple Precision Arithmetic Library)はGNUプロジェクトの一つで、多倍長の整数、有理数、浮動小数点数の演算を実現するためのライブラリを提供している。CPUに応じて、基盤となる演算をアセンブラで書いてあるなど、高性能であることもあって普及している。
幾つかの商用の数学ソフトウエア(Mathematica, Maple, Magma)などでも使われているし、例えばpari-gpのようなフリーの数学ソフトウエアにも組み込まれている。また、多倍長演算を言語の規格に組み込んでいるLisp/Scheme処理系でも多く使われているし、rubyやpythonなどにも使われている。
ところが、GMPの開発体制に次のような意見があった:
- GMPはリリースの間隔が長く、不定期で、また間が空きがち
- 新しいアーキテクチャのCPUが市場に出回っても(例えばcore2duoなど)、それに対応したバージョンがなかなか出てこない
- Microsoft Windows上のネイティブな開発環境(Visual Studio)がサポートされていない
- 同様に、MacOS Xのサポートも十分とはいえない
- 公開されているcvs/svn/tracサーバなども無い
- ライセンスがLGPLで、営利企業にとっては使用する敷居が高いことがある
なお、GMP4.2.2をCore 2 Duo環境でコンパイルするためのパッチが複数公開されている。
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