2008年5月27日火曜日

月曜日の授業:自然と情報の数理

今回はEuclid原論から、初等数論にあたる部分をかいつまんで解説した。VII巻とIX巻。

内容は今の視点から見ると大変平易なもの。しかし原文では、文字式というものが使われていないので、なれないと非常に読みづらく忍耐が必要。もちろん解説の際には適宜現代風にアレンジして話してはいる。

今回準備していて、アルトマンの本にあったのだが、Euclid自身はいわゆる「算術の基本定理」に言及していないらしい。これは、任意の自然数が、素数の冪積にただ一通りに表される、という主張である。同書によれば、近い主張はIX巻の命題14, 平方自由な自然数の場合を扱ったもの。

最初に証明を与えたのはGaussだそうだ。高瀬訳「ガウス 整数論 (数学史叢書)」(書影がないとはどういうことか?)の第2章16節に「定理:どのような合成数もただ1通りの仕方で素因子に分解される。」とある。証明の冒頭に、一通りにのみ分解されるという事実は、「たいていの場合、不当にも暗々裏に仮定されている」とある。



前回のプレゼンテーションスライドを公開し忘れていたので追記した。)




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