2012年9月12日水曜日

N. F. Cole and E. T. Bell

昨日の投稿の落ち穂拾い.

N. F. Coleが $M_{67}$ を素因数分解した結果を発表した際の劇的な講演,元ネタはどうもE. T. Bellらしい.ベルは,「数学をつくった人びと〈1〉 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)」などの数学読み物や,組合せ論で出てくるベル数に名を残す数学者である.

私は現物を見ていないのだが,コールの講演の様子は,E. T. Bell, Mathematics: Queen and Servant of Science (Spectrum)の11.2節にあるようだ.邦訳は「数学は科学の女王にして奴隷 1 《数理を愉しむ》シリーズ (ハヤカワ文庫 NF) 」.Leo Corry, Hunting prime numbers---from Human to Electronic Computers, という記事の冒頭部分に引用がある.

ベルの書いたものは,読み物としては面白いのだが,史実として正確かというと必ずしもそうとは言えなかったりする.コールの論文(昨日リンクしたもの)やリュカの結果などとあわせて考えると,コールの劇的な講演の様子は,例によって,ベル一流の,面白い逸話,ととらえるべきと思う.Corryも,「日曜日を3年分」という台詞は,数学の都市伝説(mathematical urban legend),としている.ちなみに,ベルの指導教官はコールだった.Math Geneology projectで確認できる

なお,コールの逸話とベルとの関係は,知人にtwitterで示唆して頂いたものである.御礼申し上げます.


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