Jacobsthal和と,虚数乗法を持つ楕円曲線のFrobeniusのトレースとの関係を見る.
奇素数について,Jacobsthal和とは,次の和
ただしはで割り切れない整数,であった.
この和は,元体上定義された楕円曲線の有理点の個数と
という関係がある.実際,が平方剰余になる毎にの点が上にある.また,が平方非剰余になるは,の点の個数には寄与しない.最後に,がで割り切れるとき,点ある.それらがそれぞれに等しいので,で足し,無限遠点を考慮して上のようになる.(上の楕円曲線について全く同様のことが言
える).
もう少し状況を一般化して,標数の元体上の楕円曲線を考える.の代数閉包をと書く.有理点の集合には乗Frobenius自己同型が存在するが,の進Tate加群への作用も同じ文字で表すことにする(は素数).の特性多項式を
とすると,が示され,よって共役な複素数となる.また,より,.
一方,
特にが有理整数である事も示される.以上から
(有限体上の楕円曲線について一般的なことは,J. Silverman, The Arithmetic of Elliptic Curves (Graduate Texts in Mahtematics)
のV章を参照.)
次に,を虚2次体,をのHilbert類体とし,を上定義されの整数環に虚数乗法を持つ楕円曲線とする.さらに,の素イデアル
に対して,その上にあるの素イデアルをと書き,でののreduction mod をと書くことにする.
すると,で完全分解するような,の殆どすべての1次の素イデアルに対して,の素元でなるもので,次の図式を可換にするものがただ一つ存在する:
縦の矢印はreduction mod である.このとき写像の次数も保たれるので, また. 以上から,
(虚数乗法を持つ楕円曲線については,J. Silverman, Advanced Topics in the Arithmetic of Elliptic Curves (Graduate Texts in Mathematics)
のII章,§15, ならびに,D. Cox, Primes of the Form x + ny: Fermat, Class Field Theory, and Complex Multiplication (Pure and Applied Mathematics: A Wiley Series of Texts, Monographs and Tracts)
の§14-C参照.)
さて,をGaussの数体とすればであり,はに虚数乗法を持つ.がで分解していて(, ),上の一般論からとJacobsthal和とが,と関係付くのである.
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