2012年4月25日水曜日

Jacobsthal和(3):mod 4で1の素数は2平方数の和

Jacobsthal和と,虚数乗法を持つ楕円曲線のFrobeniusのトレースとの関係を見る.

奇素数pについて,Jacobsthal和とは,次の和 ϕ(D)=u=1p1(u3+Dup), ただしDpで割り切れない整数,であった.

この和は,p元体Fp上定義された楕円曲線E:y2=x3+DxFp有理点の個数と #E(Fp)=p+1+ϕ(D) という関係がある.実際,x3+Dxが平方剰余になるx毎に±y2点がE上にある.また,x3+Dxが平方非剰余になるxは,E(Fp)の点の個数には寄与しない.最後に,x3+Dxpで割り切れるとき,1点ある.それらがそれぞれ1+((x3+Dx)/p)に等しいので,xFpで足し,無限遠点を考慮して上のようになる.(Fp上の楕円曲線E:y2=f(x)について全く同様のことが言 える).

もう少し状況を一般化して,標数pq元体F上の楕円曲線Eを考える.Fの代数閉包をFと書く.F有理点の集合E(F)にはq乗Frobenius自己同型φが存在するが,E進Tate加群への作用も同じ文字で表すことにする(pは素数).φの特性多項式を det(Tφ)=(Tα)(Tβ) とすると,α,βRが示され,よって共役な複素数となる.また,αβ=det(φ)=qより,|α|=|β|=q. 一方, #E(F)=#E(F)φ=#ker(1φ)=deg(Iφ)=1tr(φ)+q. 特にtrφ:=α+βが有理整数である事も示される.以上から tr(φ)=ϕ(D). (有限体上の楕円曲線について一般的なことは,J. Silverman, The Arithmetic of Elliptic Curves (Graduate Texts in Mahtematics)のV章を参照.)

次に,Kを虚2次体,HKのHilbert類体とし,EH上定義されKの整数環に虚数乗法を持つ楕円曲線とする.さらに,Kの素イデアル pに対して,その上にあるHの素イデアルをPと書き,PでのEのreduction mod PE~と書くことにする.

すると,Hで完全分解するような,Kの殆どすべての1次の素イデアルpに対して,Kの素元π(π)=pなるもので,次の図式を可換にするものがただ一つ存在する: E  [π]  EE~  φ  E~, 縦の矢印はreduction mod Pである.このとき写像の次数も保たれるので,p=degφ=deg[π]=N(π). またdeg(1φ)=deg(1π)=N(1π)=(1π)(1π)=1+p(π+π). 以上から, tr(φ)=π+π. (虚数乗法を持つ楕円曲線については,J. Silverman, Advanced Topics in the Arithmetic of Elliptic Curves (Graduate Texts in Mathematics)のII章,§15, ならびに,D. Cox, Primes of the Form x + ny: Fermat, Class Field Theory, and Complex Multiplication (Pure and Applied Mathematics: A Wiley Series of Texts, Monographs and Tracts)の§14-C参照.)

さて,K=Q(1)をGaussの数体とすればH=Kであり,E:y2=x3+4xK=Z[1]に虚数乗法を持つ.p1(mod4)Kで分解していて(p=ππ, π=a+b1),上の一般論からπ+π=2aとJacobsthal和とが,ϕ(4)=2aと関係付くのである.

0 件のコメント: