が有理数体上定義されているとき,が良還元を持つような素数について,のの分子をEuler因子とし,また良還元ではない素数についてもしかるべく調整した因子を掛けることで,のHasse-Weil 函数を
と定義する.この函数はの実部で収束するが,さらに全平面に解析接続され,とでの値を関係づける函数等式を持つことが「予想」されていた,が,これは1990年代から2000年代に掛けて,志村・谷山予想のWilesらによる証明の帰結として解決された.
しかし,が虚数乗法を持つ場合には,はHeckeの函数にによって表され,上に述べた解析接続や函数等式は1950年代にDeuring, Weilらにより解決されていた.
考える楕円曲線を,, は整数,に限ることにする.このを良還元を持つ素数(具体的にはなる素数であることが示される)で還元したときの有理点の個数は
で与えられる.ここで,なる素数はでと分解するとし,は4乗剰余記号である(よってこれまでの記号で等と書かれてきたFrobeniusのトレースも明示的に,もしくは4乗剰余記号を用いて,もしくはと,求められている).
さて,上の,導手,重みの代数的Hecke指標を,の素イデアルに対して,
と定義する.に対するHeckeの函数を
と定義するとこれはある半平面で広義一様に収束し,また全複素平面に整函数として接続され,ととの間の函数等式をみたす.
すると,Hasse-Weil 函数のEuler因子に注目すると,の時は
の時は
となる.
つまり,楕円曲線のHasse-Weil 函数が,Heckeの函数と一致することが示される.
よっても,全複素平面に整函数として接続され,ととの間の函数等式をみたす.
(参考文献は,J. Silverman,
Advanced Topics in the Arithmetic of Elliptic Curves (Graduate Texts in Mathematics)
のChap II, §6と,Ireland-Rosen,
A Classical Introduction to Modern Number Theory (Graduate Texts in Mathematics)
の18章 §6.また,Hasse-Weilの函数の発見の経緯については,Weil自身による証言が大変興味深い.
数学の創造―著作集自註 (1983年) (数セミ・ブックス〈4〉)
の[1952d]参照.
初出時となっていたのはの誤りでしたので訂正しました(2012/05/03)
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