2012年11月20日火曜日

Eisenstein

少し早めに出られたので,それほど混んでない市電で出勤.座って,1つ用事を済ませることができた.

朝一の線形代数.小テストを採点してみて気がついたことをいくつか注意する.一次独立の定義を勘違いしている人が一定数いる.(この部分を担当すると,毎回そういう受講者が一定数いる).

引き続き代数学.多変数の多項式環の話をして,イデアルと剰余環の節に進む.

昼休みをはさんで,午後はB4ゼミ.Ireland-Rosenの本で,Eisensteinによる平方剰余記号の相互法則の証明(リンクはGDZで公開されている原論文)を辿る.SerreのA Course in Arithmetic (Graduate Texts in Mathematics)でも1章のAppendixとして収められているが,やや電報調.Ireland-RosenのA Classical Introduction to Modern Number Theory (Graduate Texts in Mathematics)はずっと読みやすい.これはお見事鮮やかとしか言いようがない.

170年近く過ぎて,遠く日本で,自分の証明が読まれるなど,Eisensteinは予想しただろうか.GaloisやAbelほど有名ではないようだが,Gaussが激賞した天才であり,そして30歳になる前に,結核で早世している(1823生まれ,1852没).1843年にダブリンでHamiltonに会い,Abelの仕事についての本を貰ったりしているそうだ.1847年にはベルリン大学で教えるようになり,その教室にはRiemannもいたという.

全集があり,それについてのWeilによる書評が公開されている.

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